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ユニクロ、韓国で不買運動拡大、”過剰在庫の罠”など不振期突入の兆候か…

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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ユニクロの店舗(「wikipedia」より/Rotatebot)

 ユニクロを運営するファーストリテイリングの先行きに、暗雲が垂れ込めている。韓国の不買運動などで海外事業が不振に陥り、1月9日に2020年8月期の業績見通しの下方修正を発表した。これを受けて株価は大きく下落。翌10日の終値は前日比1770円(2.8%)安の6万1990円となった。

 ファストリは1月9日、20年8月期の連結業績(国際会計基準)の下方修正を発表。売上収益を従来予想と比べて600億円少ない2兆3400億円(前期比2.2%増)、本業のもうけを示す営業利益を同300億円少ない2450億円(同4.9%減)、純利益を同100億円少ない1650億円(同1.5%増)に引き下げた。

 下方修正の大きな要因となったのが、韓国の不買運動だ。昨夏以来の不買運動により、19年9~11月期の韓国事業の既存店売上高が大きく落ち込んだ。また、営業利益は計画を大きく下回り、赤字に陥っている。通期は大幅な減収減益となる見込みで、赤字になるとしている。こうした状況を受け、海外ユニクロ事業の下期の期初予想を減額修正するなどし、それに伴い連結業績を下方修正するに至った。

 韓国の不買運動は、日本による半導体素材の輸出管理の厳格化がきっかけで起きた。反日感情が高まり、日本製品の不買運動が起きた。代表格のユニクロは主な標的となってしまった。さらに、ファストリの岡崎健・最高財務責任者(CFO)が「不買運動は長くは続かない」と発言したことで「韓国の消費者を軽視している」との批判が上がり、ユニクロに対する不買運動は大きくなった。

 韓国は同社にとって重要な市場だ。ユニクロは韓国で186店(19年11月末時点)を運営するが、海外における店舗数は中国に次いで多く、海外全体の1割強を占める。韓国事業の18年8月期の売上収益は約1400億円にも上る。日本(約8600億円)や、中国本土・香港・台湾で構成するグレーターチャイナ(約4400億円)には及ばないものの、東南アジア・オセアニア(約1400億円)と同等の規模で、欧州や北米(いずれも約900億円)よりも大きい。今後の成長も期待されていただけに、不買運動でつまずいてしまったことは大きな痛手だ。

 海外でのつまずきで、ファストリの19年9~11月期連結決算は厳しいものとなった。売上収益は前年同期比3.3%減の6234億円、営業利益は12.4%減の916億円、純利益は3.5%減の709億円だった。

 もっとも、19年9~11月期は販売が苦戦した韓国と香港を除くと、増収増益だったという。なお、同期の国別の業績数値は公表していない。事業別では、国内ユニクロ事業は売上収益が前年同期比5.3%減の2330億円、営業利益が1.6%増の385億円だった。海外ユニクロ事業は売上収益が3.6%減の2807億円、営業利益が28.0%減の378億円だった。カジュアル衣料品店「GU(ジーユー)」の事業は大幅な増収増益、買収ブランド群の事業は大幅な減収減益だった。

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