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「加谷珪一の知っとくエコノミー論」

中国人観光客が大挙、日本が「物価も賃金も安い国」になった現実とは

文=加谷珪一/経済評論家
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日本のディズニーランドは激安

 こうした内外価格差はサービスにもあてはまる。ディズニーランドは世界各国にあるが、実は国によって入場料には大きな差がある。日本では1日入場券は7500円だが、上海では同様の入場券は399元から575元(ピーク時には665元)で販売されている。1元=16円とすると6384円から9200円である。香港では639香港ドルで、1香港ドル=14円とすると8946円になる。

 カリフォルニアにある本場のディズニーランドは、104ドルから149ドルの範囲になっている。1ドル=110とすると、1万1440円から1万6390円の価格設定であり、パリのディズニーランドも米国とほぼ同じ水準である。日本のディズニーランドは世界でもっとも入場料が安いと考えてよいだろう。

 海外旅行のついでに現地のディズニーランドに行くという人は多いが、外国から来た観光客は日本の入場料が安いので大喜びしているはずだ。日本のディズニーランドがここまで安い理由は、日本の消費者の購買力が他国と比較して弱く、このくらいの価格設定にしないと他のテーマパークとの競争に負けてしまうからである。

 ディズニーランドは、圧倒的なブランド力があり、どんなに高くても来場するように思えるが、そうではない。価格が高いとリピーターの頻度が減り、全体の来場者数は減ってしまう。顧客を囲い込み、高いブランド力を維持するためにも、適切な価格設定が必要であり、日本の価格設定はまさに日本経済の現状を反映した水準となっているのだ。

 マクドナルドも全世界に展開しているので、価格比較にはよく使われる店舗といってよい。国際的な価格比較サイト「Numbeo」によると、日本のマクドナルドにおけるセット販売の平均価格は695円である。これに対してニューヨークは986円、シドニーは853円、パリは1055円なので、先進各国は総じて日本よりもかなり高い。アジアに目を移すと、香港が493円、上海が556円 バンコク(タイ)617円、シンガポールは651円となっており、日本と同レベルか日本より少し安い程度である。

 カフェはどうだろうか。日本ではカプチーノの平均価格は388円だが、上海では466円、香港では506円、パリは416円、バンコク253円、シドニーでは302円、ニューヨークでは515円、シンガポールでは444円だった。バンコクとシドニーの価格は安いが、それ以外の都市では基本的に日本よりも高いと考えてよいだろう。

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