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武漢イオンはマスク禁止?営業継続&“希望者”残留に社員から疑問の声…「弱音が吐けない社風」が裏目か

文=編集部
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 弊社では自社物流網の整備に力を入れてきたこともあり、公共交通機関が止まっていても、現地の運輸パートナーの協力を得て商品の仕入れに支障はありません。また中国政府から弊社を含む、現地の小売業に営業継続の指示がありました。

 従業員を守る観点から、武漢市内の店舗では衛生レベルを強化しており、従業員のマスク着用、手洗いの徹底や、出入口に設置した消毒用アルコールの使用を強く呼びかけています」

 一方で、日本政府は新型肺炎を感染症法に基づく「指定感染症」と、検疫法の「検疫感染症」に指定する政令を閣議決定。また政府は28、29両日にチャーター便を調達し、武漢市から退避を希望する邦人の帰国支援も開始した。第1便は29日朝に日本に到着し、約200人が帰国した。外務省や内閣府の関係者によると、帰国者には片道の正規エコノミー料金8万円を利用者に求めるという。

「現場を堅守する社風」

 こうした状況を踏まえ、イオン社員は次のように話す。

「希望者が残留するという部分に、少しひっかかります。うちの会社は『自分の持ち場を堅守する』という人が多いです。武漢の駐在員もそういう雰囲気になっているのではないでしょうか。

 イオンではパートを含めた全社員が、職域を広げたり、昇格したりするために非常に難しい試験をパスする必要があります。合格率は高くて受験者の1割、低い時は数%です。その結果、『昇格できないから、せめて今の自分のポジションを同僚に取られないようにがんばる』とか『あんなに苦労して昇格したのだから、絶対にこのポジションは手放せない』という思考になる人が多いです。

 今回の例でいえば、仮に帰国しても『こっちにあなたの仕事はないよ』『中国人の現地従業員や仕事を放置して逃げてきたよね』と吹聴されるのは想像に難しくなく、だからこそ『ここでがんばる』となった可能性があります。多くの住民の方が困っている武漢で営業を続けるのは、同じ会社の人間として立派だと思います。まじめな社員も多いので、会社として残留は強制していないでしょう。ただ『弱音を吐けない』社風が裏目に出ないことを祈るのみです」

 会社が直接的に武漢に残留することを求めたのかどうか、社員の証言からは不明だ。この状況下で社員が現地に残留することに関して、日本医師会認定産業医・内科医の星野優氏は次のように解説する。

「今回の、新型コロナウイルスは以前の重症急性呼吸器症候群(SARS)などと比較すると非常に早く原因が特定された印象です。ただし、感染力が強いこと以外は正直情報も錯綜しており正確な判断が困難な状況と考えられます。ただし、国がチャーター便を用意して帰国者を帰国させたことも踏まえると、本人の希望に反して、会社の命令で指定感染症最流行地域に残留させるということは非常に危険であり、もし罹患した場合は会社としての責任も問われかねないのではないでしょうか。残念ながら、正確な情報が乏しい中での判断にはなり、国内では冷静な対応が重要ですが、最流行地域という観点からすると、非常にリスクが高いと考えます」

 従業員が倒れれば守るべき現場も、会社も崩壊する。災害時はがんばりすぎないことも大切だ。

(文=編集部)

 

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