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榊淳司「不動産を疑え!」

武蔵小杉“居住不能事件”以後、世間のタワーマンションへの評価低下が鮮明に

文=榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト
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 その後、タワマンについていろいろと調べた。どうやら、私がタワマンを造形的に醜悪だと捉える感覚は、日本では少数派でもヨーロッパではかなりの多数派であることがわかってきた。私の勝手な解釈では、京都もヨーロッパも昔の街並みを大事にする。そういう価値観のある人の眼には、鉄筋コンクリートの塊であり、やたらと存在感を誇示するかのようなタワマンは醜悪に映るのだろう。

 そして台風19号は結果的に、少数派だと思っていた私にもかなりの同調者がいることを教えてくれた。さらに、タワマンに対して肯定派でも否定派でもない中間層に対して、タワマンという住形態の脆弱性や災害リスクを強烈に提示してしまった。多分、中間層の何割かを否定派に傾いたのだと想像する。だからこそ、2020年になってからタワマン自体に疑問を呈する方向性での、メディアの企画が増えたのだと思う。

「こんなのは一過性で終わるだろう」

 あの台風通過後にメディアが次々に接触してきた時期に、私はそう考えていた。しかし、どうやら私の予測は外れた。世間の眼は、徐々にではあるがタワマンに対して冷たくなっている。

(文=榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト)

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