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吉野家、超特盛&小盛導入で黒字転換達成…松屋は炎上必至の話題づくり、すき家は新商品連投

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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 すき家も月に2度程度のペースで期間限定商品を投入することで集客を図っている。昨年5月に「シーザーレタス牛丼」を発売したほか、7月に「ニンニクの芽牛丼」、11月に「黒毛和牛すき焼き膳」、12月に「牛すき鍋定食」「四川風牛すき鍋定食」を販売した。ほかにも、個性豊かな期間限定商品を売り出している。こうした商品が寄与し、4~12月の既存店売上高は前年同期比2.7%増となった。

 ゼンショーHDも足元の業績は好調だ。19年4~9月期連結決算は、売上高が前年同期比6.7%増の3198億円、営業利益が29.5%増の133億円、純利益は52.4%増の76億円だった。

 このように各社は牛丼店がけん引し、業績が好調だ。いずれも牛丼店においての商品戦略が功を奏している。特に限定商品の成功が目立ったが、各社が限定商品に力を入れるのは、多様な顧客ニーズに対応するためだ。牛丼が好きな人でも、毎回牛丼では飽きてしまう。「たまには違ったものを食べたい」というニーズが強まっており、限定商品をこまめに投入することで、そういったニーズを取り込むことに成功している。

3社の戦略の違い

 だが、そんななかでも方向性が企業によって異なっており、興味深い。

 吉野家はかなり冒険している印象がある。前述したように牛丼の「超特盛」と「小盛」を新たに導入しヒットさせたが、新サイズの投入は28年ぶりだ。そう考えると、大胆な決断をしたと言えよう。また、RIZAPや陳建一氏、ポケモンとコラボするなど、これまでになかった取り組みを実施している。さらに、税込み860円(税率8%)とかなり高額な「すきやき重」を売り出してもいる。かなり冒険的ではないだろうか。

 対して松屋は、かなり際どい商品の打ち出しを行っている。「創業カレー」を定番化するにあたり、それまで販売していた、より安価な「オリジナルカレー」の終売を大々的に喧伝したが、「炎上商法」「実質値上げ」との指摘・批判が相次いだ。また、「お肉たっぷり牛鍋膳」「豆腐キムチチゲ」「ビーフシチュー定食」は好評で原料の供給が追いつかず一時販売休止となったが、以前にも同様の理由で商品の一時販売休止があったこともあり、「これだけ頻繁だと話題づくりのためにわざとやっているのではないか」といった冷めた見方も広がった。こうした批判があるにせよ、話題づくりは成功しており、それが集客につながったといえそうだ。

 他方、すき家は限定商品を短期サイクルで次々と投入しているが、その多くが並盛サイズで500円台と、手頃な価格になっている。吉野家や松屋よりも安価な限定商品を数多く投入している印象がある。既存の牛丼にトッピングを加えただけの商品が多く、経費をそれほどかけずに限定商品をつくっているようだ。たとえば「ニンニクの芽牛丼」は、牛丼の上にニンニクの芽を載せただけの商品だ。こうして低価格を維持することで「すき家は安い」というイメージを崩さないようにしているのだろう。

 方向性は違うにせよ、各社は限定商品の投入を中心とした商品戦略が功を奏し、業績は上向いている。今後もこうした動きや傾向が続きそうだ。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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