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ゲーセン業界瀕死…プレステ&セガ登場の「約10年後」、凋落開始を招いた出来事とは?

文=A4studio

 ではなぜ、06年に市場規模の最盛期を迎えられたのだろうか。それは、ゲームセンターでしか体験できないゲームの登場が関係しているそうだ。

「太鼓とバチが導入された体験型リズムゲームである『太鼓の達人』(01年稼働開始)、業界初のリアルタイムオンライン対戦が可能となった『麻雀格闘倶楽部』002年稼働開始)、小学生に爆発的人気を博したトレーディングカードアーケードゲーム『甲虫王者ムシキング』(03年稼働開始)といった、ゲームセンター発のヒットゲームが登場し、大ヒットとなりました。

 これらのヒットがあったからこそ、10年の『グリー』や『モバゲータウン』の台頭まで、ゲームセンター業界がたえられたのでしょう。ただ悲しいかな、こうしたヒット作はブームが去ってしまえばそれまでで、業界全体の下降の根本的歯止めにはなりませんでした。また、ゲームセンターの収益の柱は、もうずっと以前からビデオゲームよりもプライズやメダルゲームです。プライズやメダルゲームはケータイだけでは遊べませんが、ビデオゲームの場合はケータイでも比較的似たようなゲームが遊べてしまうため、ビデオゲームに依存した店舗はどうしても経営が苦しくなります」(同)

eスポーツをゲームセンター業界の起爆剤にできない理由

 そんなゲームセンター業界だが、近年盛り上がり、急激に普及し始めている話題のeスポーツ需要を取り込むなどの秘策はないのだろうか。

「実に残念なことなのですが、ゲームセンターでeスポーツ大会を開催することが、かなり困難なのです。風営法で『遊技の結果に応じて賞品を提供してはならない』といった定めがあり、賞金をかけた大会を催せないからです。また、入場料を取ってそれをプレイヤーの賞金に充てようとしても、景品表示法で引っかかってしまうというジレンマもあります。ゲームセンターと関係のない第三のスポンサーを立てて主催してもらい、ゲームセンターで賞金付きのeスポーツ大会を開催するということも可能なのですが、それではゲームセンターの大きな収益につながるスキームができるかどうかも未知数です」(同)

 では、ゲームセンター業界はこのまま凋落していくのか。

「ゲームメーカー側が発表する新作の数は落ちてきていますし、ゲームセンター業界の経営努力も限界にきている節があります。今のままでは、復活の狼煙を上げることなく、このまま緩やかに右肩下がりを続けていくのではないでしょうか」(同)

 ゲームセンターという業態はこのままオワコン化が進むのかもしれない。しかし、ゲームセンターで培われていたゲーム対戦カルチャーや、その対戦により生まれたコミュニケーションは、近年、普及が進むeスポーツが文化として引き継いでくれるのではないだろうか。

(文=A4studio)

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