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ジャーナリズム

東京・都教委、税金から不正支出疑惑…都立高校で偽装請負を隠蔽、人員を適切に配置せず

文=日向咲嗣/ジャーナリスト
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2015-16年度に起きた不履行についての減額処理をした資料の内容を一覧表にしてみると、15年度にもっとも多く不履行を起こした荻窪高校を受託したサービスエースは、減額されていないことがわかる

 あらためて都教委に確認すると「15年度については、開示したもの以外の文書は存在しない。つまり、これ以上減額した事実はない」とのこと。結局、15年度については、2件(総額5700円程度)減額処理されただけ。前回記事で紹介した、荻窪高校で起きた長期にわたる司書不配置などについては減額対象にはなっておらず、このとき一部減額されたのは16年度の不履行についてのみであることが判明した。

 不履行について、一部しか委託費を減額していないことを正式に都教委が認めたわけだが、その点について、ある図書館関係者は、こう断罪する。

「税金を扱うものとして、極めて不適切な処理を行っていたわけです。一方で減額処理を行った企業があるのに、もう一方ではそれをしていないことについて、どのような基準に基づいて差別が生じたのか、公平な処理を行わなかった理由を明らかにすべきでしょう」

 都立高校の関係者も、こう批判する。

「現場には厳しく『都民の貴重な税金を有効に使うように』と言いながら、自分たちは無責任に無駄遣いをしていたんですね。何か特別な事情があったのかもしれませんが、都民が損害を受けたことは事実であり、校長や容認した本庁の管理職、減額を求めないことを決めた本庁の管理職などは、本来は連帯して賠償責任を負うべきではないかと思います」

 別の都内学校関係者は、学校ではあり得ない不正経理ではないかと指摘する。

「たとえば、うっかり誤発注して給食の食材費が予算オーバーしたら、校長と栄養士が連帯して超過分弁済するのが学校経理の世界です。それなのに、都教委が不履行の委託費を一切減額しないなんて信じられません」

 そもそも都教委は、不履行と同時に発覚した偽装請負についても、労働局から是正指導を受けるという重大事案であったにもかかわらず、「指導をもとに是正した」と述べるだけで、誰ひとり責任を取っていないと指摘されている。

実質的にペナルティなし

 いったいなぜ、そんなチクハグな行為を都は行ったのか。前出の図書館関係者は、15年度の2件のみ処理した日付に注目する。

 下の図を見ると、15年度に2日分・約5700円を減額処理した日付が「3月30日」になっている。筆者は、16年度にこの件が問題になったとき、急遽アリバイづくりのため15年度もついでに減額処理をしたかたちにしていたのだろうと疑っていたが、この関係者は、さらに一歩踏み込んだ見解を示した。

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15年度中に起きた不履行分の委託費を減額することを決定した文書。3月24日に起案されて3月30日に決裁されている。

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