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東京・都教委、税金から不正支出疑惑…都立高校で偽装請負を隠蔽、人員を適切に配置せず

文=日向咲嗣/ジャーナリスト
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「もし、アリバイづくりであれば、3月30日以前に行っているはずです。30日に決定というのは、4月以降にこの問題に気付いて減額をしようとしたが、受託会社との調整が前年度会計閉鎖のギリギリになっても成立せず、成立した2社のみを対象に、3月30日にさかのぼって減額決定したということではないでしょうか。31日は最後の日なので避けて30日にした。実にばかばかしいのですが、それが役人の世界です。減額しないと危険だという認識を誰も持っておらず、新年度になって気が付いた人間がいて、慌てて処理したと考えればつじつまが合います」

 もちろん、これはあくまでも推測にすぎないのだが、荻窪高校のように延べ日数にして56日にもわたって不履行となった分については、結果的に委託費は1円の減額もされていないのだから、「税金の不正な使途」と指摘されても仕方ないだろう。

 さらにこの関係者が厳しく糾弾するのは、17年度から始まった新たな減額処理の仕組みだ。

 東京都は17年度以降、不履行が起きても委託費を減額しづらい「総価契約」から、履行された時間当たりで委託費を支払う「単価契約」ヘ移行した。不履行が起きても、16年度までのような手続きは不要で、受託者が“仕事をした分だけ支払う”仕組みを導入したことになるのだが、前出の図書館関係者は、これはとんでもない脱法行為だと批判する。

「契約通りに開館されないことが問題になっても、その場合は『ペナルティとして委託料を支払わない』と堂々と言えます。これで都教委はきちんと対応しているかのように装って、都民や都議会も乗り切れるということになるのでしょう。

 しかし、この場合の単価契約がどんなにおかしいことか、ほかと比較すればわかります。たとえば、公共図書館で従事者の人数が足りないので開館できないことを考えて単価契約にする、市民に証明書を発行している部署を外部に委託して、業務できない日が出たら減額するといった事態です。人数が足りない日があれば委託費を減額するという契約ではなく、きちんと業務を遂行できる業者を選ぶべきです」

 つまり、単価契約は「きちんと業務を遂行できない“不良業者”に、引き続きその業務を行わせるために編み出したウルトラC」なのではないか。

 減額処理の方法についても、契約書には不履行を犯した場合のペナルティは定められておらず、別途、東京都が受託事業者との協議のうえで減額処理する方式で進められたことがわかった。しかし、肝心の算定部分については、開示資料が黒塗りされているためわからない。

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2016年度に不履行を犯した事業者が、契約書で定められた「仕様書に定めのない事項については、委託者と受託者の協議の上定める」に基づいて、都教委が提示した不履行分の減額処理について受託者が同意した書面
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減額処理を行うために、不履行日数分の委託額を事業者が提出している原価計算データをもとに計算した書面

 この2枚の写真は、この会社が16年4月の2日分、5月の1日分の計3日分について、仕様書通りに従事者を配置できなかったとして、計3万2681円が委託費から引かれるという処理がなされることを承諾した書面である。

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