NEW

イオンもセブン&アイもGMS事業1つで他事業の巨額利益を“帳消し”にする構造抜け出せず

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

 対策はほかにもある。米国発祥の大型セール「ブラックフライデー」を開催し、物販の消費喚起を行ったりもしている。昨年の11月22日から26日までの5日間、イオングループの約510店でブラックフライデーを開催した。うち、GMSを運営するイオンリテールは本州と四国の約400店で開催。衣料品の半額企画やホームファッション商品の冬物値下げ、タイムサービスなど特別企画が好評だったという。ブラックフライデーが功を奏し、11月の既存店売上高は、消費増税の翌月にもかかわらず前年同月比0.9%増とプラスを確保した。

 こういった施策を講じ、ある程度は成果を出せている。だが、全体の流れを変えるには至っていない。さらなる施策が必要だろう。

セブン-イレブンの利益を食いつぶすイトーヨーカ堂

 こうしたGMSの苦境はイオンだけではない。イトーヨーカ堂も同様に苦境にあえいでいる。

 まずはセブン&アイHDの足元の業績を確認したい。19年3~11月期連結決算は、営業収益が前年同期比1.9%減の4兆9755億円、営業利益が4.9%増の3190億円、純利益が8.8%増の1699億円だった。

 セブン&アイHDもイオンと同様にGMSの不振をほかの業態で穴埋めしている。主に、国内でコンビニエンスストアを展開するセブン-イレブン・ジャパンがカバーしているのだ。そのため、全体の業績は減収となったものの、利益が大きく増えているので、全社業績は好調といっていいだろう。

 それではここで、GMSを展開するイトーヨーカ堂の業績を確認する。19年3~11月期の営業収益は前年同期比3.9%減の8766億円、営業損益は8億9600万円の赤字(前年同期は2億円の赤字)だった。減収となり、営業赤字は拡大した。

 イトーヨーカ堂は、長らく苦戦が続いている。19年2月期は営業収益が前期比0.6%減の1兆2361億円、最終損益は78億円の赤字(前の期は58億円の赤字)だった。減収は3年連続、最終赤字は5年連続となる。一方で営業利益は53.0%増の47億円と増益で黒字だった。ただ、営業利益率はわずか0.4%にすぎない。

 もちろん、イトーヨーカ堂も手をこまねいているわけではない。不採算店の閉鎖を進めたほか、有力テナントを誘致してショッピングセンター(SC)化を進めたり、ニーズのある食品部門を強化したりしてGMS改革を推し進めている。

RANKING

23:30更新
  • 企業・業界
  • ビジネス
  • 総合