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ソフトバンク技術者がロシアのスパイに狙われる理由…5Gのため中国人技術者を積極雇用か

文=編集部、協力=浜田和幸/国際政治学者
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 ソフトバンクをはじめ、大手携帯キャリア各社は5Gの導入を急いでいます。この技術で先進的な技術を持っているのは中国とアメリカです。そのため、両国の技術者を雇入れて事業を進行しています。国籍が違うとか、金に困っているとかの理由で同僚を疑いたくはありません。また事業が進めば進むほど人手が必要な状況なので、会社としても雇っている人物の背景を気にしている余裕はないでしょう」

 今回のロシアのスパイ活動をどのように見ればいいのか。元外務大臣政務官で国際政治学者の浜田和幸氏は次のように解説する。

【浜田氏の見解】

 今回の元ソフトバンク社員の事件は氷山の一角であることは間違いありません。

 戦後の冷戦時代、日本が驚異的な経済成長を遂げ、「アメリカを追い越すのではないか」と思われた時期がありました。当時の日本は少なくとも技術面で世界的なシェアを獲得していました。

 同盟国であるアメリカにとっても、そうした日本の動きは脅威でした。日本がどんな国家戦略のもとで、どのような技術に注力しているのか。政府関係者や政治家の動向や考え方を探ろうと、東京を舞台にアメリカのみならず、世界の大国がしのぎを削ってきました。

 ワシントンの戦略国際問題研究所に勤務していた時期に、知り合ったアメリカ政府関係者から、「東京の赤坂にあるアメリカ大使館のすぐそばのビルに、米海軍の情報機関が事務所を抱えていて、彼らはターゲットとしている日本政府高官、政治家の行動を24時間監視し、電波を傍受している」と聞いたことがあります。その報告頻度は、東京からワシントンの国防総省に30分に1回の割合。「誰が」「いつ、どこで」「誰と会って」「どんな話をしたのか」すべて筒抜けということでした。

 2013年に発覚した諜報機関によるドイツのアンゲラ・メルケル首相の盗聴事件でも明らかなように、アメリカにとって同盟国であろうと敵対国であろうと関係はありません。すべて潜在的な脅威なのです。

 アメリカが同盟国の日本に対してそれだけ情報収集しているわけですから、中国、ロシアなど日本が潜在的な脅威とみなしている国家が行っていないわけはありません。

ターゲットの頭の中を探りだすことが目標

 ロシアや中国の在日大使館や通商代表部の主たる任務は、日本の政治家や経済界の重鎮、ITなど国防に直結する分野で技術的な情報やノウハウや知見を持っている人たちの頭の中を探りだすことです。

 中国のハッキング集団による三菱電機へのサイバー攻撃など、最近はサイバーテロによっていろんな技術情報を盗むことも頻繁に発生しています。その一方で、人間の頭の中はサイバー攻撃では確認できません。だからこそ、今も古典的な人的諜報活動の重要性は落ちていません。典型的な例ですが、ロシア大使館は年中、なんらかのレセプションを開き、文化使節団を通じた経済交流を行っています。

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