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『おっさんずラブ』インスタ運用はなぜ失敗したか?シーズン1ファンの大きな怒りのワケ

文=編集部
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文藝春秋より1月に発売された『土曜ナイトドラマ「おっさんずラブ -in the sky-」公式ブック』

 昨年12月に放送が終了したテレビ朝日系ドラマ『おっさんずラブ -in the sky-』。何かとネガティブな評判も多かったこの作品だが、SNSの運用を巡ってまた、批判的な声が上がっている。

『おっさんずラブ -in the sky-』は、2018年に放送され大人気となった『おっさんずラブ』のシーズン2として制作された作品。シーズン1の主要キャラクターである春田創一(田中圭)と黒澤武蔵(吉田鋼太郎)という2人が同じ名前・キャストで登場するものの、その他の設定がまったく異なるという“パラレルワールド”的内容であったことから、シーズン1を愛する“OL民”(おっさんずラブファンの呼称)から強い反発を受けていた。

 そんな折り、SNSの運用においてOL民たちの気持ちをさらに逆撫でする事態が起きる。シーズン1放送時に人気となっていた公式インスタグラムアカウント「武蔵の部屋」(musashis_room)の過去の投稿が、シーズン2の放送開始時に全削除されてしまったのだ。

「『武蔵の部屋』は、劇中の黒澤武蔵が運営しているという設定のアカウントで、基本的には武蔵が撮影した春田の写真が投稿されています。シーズン1放送時からOL民にはかなり好評で、50万人以上のフォロワーがいたんですよ。

 でも、シーズン2放送開始時に、シーズン1で投稿されていた写真が全部削除されてしまい、そのままシーズン2における黒澤武蔵のアカウントとなったんです。制作サイドとしては、50万人以上のフォロワーをそのまま生かしたかったのでしょうが、シーズン1のファンからしてみれば、思い出をすべて否定されるようなもの。この一件で、シーズン2を見るのを止めたというOL民も多かったようです」(テレビ局関係者)

シーズン1ファンの大きな怒り

 ところが事態はその後、さらに混迷を極めることとなる。

 シーズン2終了後、いったん削除されたはずのシーズン1放送時の「武蔵の部屋」の投稿が再公開されたのだ。さらに、当該アカウントのプロフィール欄は〈黒澤武蔵 某文房具会社部長 →TK不動産部長 →TKピーチエアライン機長 やってました(^o^)/〉と変更。“パラレルワールド”という設定はなかったことになり、「武蔵の部屋」はシーズン1とシーズン2がごちゃまぜになったアカウントになってしまったのだ。

「これもまた、シーズン1のファンにしてみればショックですよね。パラレルワールドになってしまうのは悲しいけど、“完全な別世界だからシーズン1とシーズン2は別モノ”と割り切ることができた。でも、『武蔵の部屋』アカウントでパラレルワールド設定が崩されたら、シーズン2を受け入れなければならなくなる。この展開にまた、シーズン1のファンは大きな怒りを感じたようです」(同)

現在公開中の「武蔵の部屋」インスタグラム

シーズン1「武蔵の部屋」の絶妙さ

 インスタの動向が、いちいちOL民の怒りを招いている『おっさんずラブ』。どうしてこんなことが起きてしまうのだろうか?

「シーズン1とシーズン2の設定はまったく異なるものですが、シリーズものであるのは間違いないし、制作サイドとして両方とも楽しんでほしいという思いもあるはず。さらには、シーズン1のその後を描いた『劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜』のDVD・ブルーレイの発売が3月12日に控えているので、その宣伝もしたいという狙いもあるのでしょう。しかしそういった動きは、ファンからすれば物語そのものよりも宣伝のほうを優先しているかのように見える。シーズン1こそを愛していたOL民にとっては、これほど悲しいことはありません」(同)

 もともと『おっさんずラブ』シーズン1の爆発的な人気は、公式インスタグラムやツイッターでの発信力の高さゆえのものという声も多かったのだという。

「シーズン1放送時の『武蔵の部屋』は、撮影中のオフショットをアップしたり、視聴者と同じような目線で感想を投稿したりといったこともあり、ファンと一緒に上手に作品を盛り上げていたんですよ。だからこそSNS上で『おっさんずラブ』は大きく拡散し、SNS上で感想などを投稿しながら楽しむファンが多かったわけです。

 しかし、シーズン2になってSNS担当者の変更もあったようで、ファンの気持ちをうまくくめなくなり、逆効果とも思えるような運用が続いてしまった。その結果SNSでは、シーズン2の“アンチ”も多数確認されるようになり、批判的な投稿が増えるという展開にもなりました。シーズン1では制作サイドがSNSをうまく使っていたからこそ、ファンにとっては裏切られたという思いがなおさら強くなったのでしょう。シーズン1におけるSNSの好運用がなかったならば、もしかしたらシーズン2への批判も少なかったかもしれない。『おっさんずラブ』の事例は、コンテンツにおけるSNS運用の難しさを象徴するような出来事ですね」(メディア関係者)

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