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金融庁が重点監視する“不振”地方銀行リスト…SBI、「第4のメガバンク」構想始動

文=編集部
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収益力が低い銀行

 2020年、生き残りを賭けた地銀同士の統合・合併の動きが加速する可能性が高い。金融庁は収益力が低い地銀に対する監視を強め、抜本的な経営改革を強く迫っているからだ。その一環として金融庁は経営難で将来の存続が危ぶまれる地方銀行の重点監視に入った。改正した早期警戒制度を2019事務年度(19年7月~20年6月)に初適用したもので、全国の地銀103行のうち10行程度を対象とする。本業の赤字が続くなど収益力に課題を抱える地銀を絞り込んだ。対話と圧力で不振地銀に再生を迫る。

 対象になる地銀は公表していないが、相互銀行を前身とする第二地銀の島根銀や福島銀といった過去に最終損益が赤字に陥り、業績の悪化が目立つなど、経営リスクの高い銀行を選んだだろう。島根銀は本業の収益の赤字が続き、「稼ぐ力に問題あり」として金融庁から18年秋に業務改善命令を受けた。地銀同士の再編なら相手にのみ込まれる。そこで駆け込んだ先がSBIHDだった。

 島根銀は20年1月から低い金利を看板にした金利変動タイプの住宅ローンの取り扱いを始めた。インターネット経由で全国に住宅ローンを売ってきた住信SBIネット銀行の商品だ。

 金融庁が監視を強化する10行程度とはどこか。「週刊エコノミスト」(毎日新聞出版/19年6月25日号)は、特集『残る地銀 消える地銀 収益力ランキング』で、19年3月期決算をもとに収益力をランク付けしている。

投資信託解約益の依存度が高い、筑波銀、長野銀、中京銀

 地銀による投資信託の運用の実態が、19年4~9月期決算で初めて明らかになった。売却した時に計上するのが投信解約益だ。これまで融資など本業の利益を示すコア業務純益に含まれており、投信解約益が本業の利益をどの程度、カサ上げしているのかの実態が見えてこなかった。そこで金融庁は地銀の稼ぐ力を見極めやすくするために、実態の開示を求めた。

 日本経済新聞(19年12月11日付朝刊)は、<上場する地方銀行78行・グループの(中略)およそ9割の69行が投信の解約益によって本業の利益を膨らませていた。うち11行は利益の3割以上を投信解約益が占めた。(中略)筑波銀行、長野銀行、中京銀行は依存度が5割を超えた>と報じた。

 収益環境が厳しいなかで投信が目先の決算数字づくりに利用されている実態が明らかになった。投資信託解約益依存度が高い地銀は、金融庁の重点監視対象になる。別の見方をすれば、これらの銀行はSBIHDと手を組む「第4のメガバンク」の予備軍である。

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