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創業320年、山形県最後の百貨店・大沼はなぜ倒産?全国で百貨店が消滅し始めている

文=編集部

北九州市が出資する第三セクターの商業施設が破産

 北九州市八幡西区の百貨店、井筒屋黒崎店が入居するショッピングモール「クロサキメイト」(8階建て)の運営会社メイト黒崎(重越謙二社長)は1月24日、東京地裁に破産を申し立て、同日、保全管理命令を受けた。負債総額は約25億円。

 メイト黒崎は北九州市も出資する第三セクター。1979年、JR黒崎駅前の再開発に伴い、黒崎そごう、ジャスコ黒崎店を核テナントとする専門店街としてオープンした。そごう、ジャスコが撤退した後の2001年、西側1~7階に井筒屋黒崎店が出店、東館にファッション店や飲食店などが入居していた。

 だが、黒崎地区の地盤低下に伴って、井筒屋は黒崎店を19年5月末に閉店すると発表。地元からの継続要望を受けて、19年8月に黒崎店を1~3階に集約して、営業フロアを半分以下に縮小した。

 地元紙の西日本新聞電子版(1月24日付)は、<メイト黒崎によると、井筒屋黒崎店の縮小後は賃貸料収入がほぼ半減。後継テナントも見つからず、毎月4千万~5千万円の赤字を計上する事態が続いていた>と伝えている。専門店街「クロサキメイト」(約80店)は4月末に閉店する。ショッピングモールの破産、百貨店の撤退でJR黒崎駅前の地盤低下は一段と加速する。

全国百貨店の売上高は前年同期比8.8%マイナス

 日本百貨店協会がまとめた2019年の全国百貨店の売上高(既存店ベース)は18年比1.4%減となり、2年連続で前年を下回った。10%の消費増税後の19年10~12月は前年同期を8.8%も下回った。6年前、消費税が8%引き上げられた後の3カ月間より、2.5ポイントも落ち込み幅が大きかった。全店ベースの売上高は18年比1.4%減の5兆7574億円で、6年連続のマイナスとなった。1年間で調査対象となる店舗が閉店などで11店も減った。

 インバウンド(訪日外国人)需要は好調だ。中国が免税品の販売規制を強化するなどのマイナス要因はあったが、免税売上高は2%増の3461億円で3年連続で過去最高額を更新した。訪日客に人気が高い化粧品は通年で2.6%増と健闘した。しかし、地域別では人口減少が進む地方の店舗の苦戦が目立った。主要10都市の既存店が前年比0.8%減だったのに対し、地方店は2.8%減だった。

 2020年には百貨店はさらに減る。そごう・西武は、今年から来年にかけて神戸市や徳島市など5店舗、高島屋も今年、神奈川県の店舗を閉めることが決まっている。山形県の老舗百貨店・大沼の破産は地方百貨店が存亡の危機に立たされていることを象徴している。地方百貨店の共倒れが現実味を帯びてきた。

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