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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

ファミマ、レジ横のおでん鍋やめパック売り…利益より従業員負荷軽減と廃棄削減が優先に

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季
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 他方、大手コンビニ本部とフランチャイズ店オーナーが揉めているニュースをよく耳にしますが、世間は弱者であるオーナーの味方なので、本部が争いや強い措置を行使してもマイナスイメージがつきやすい時代です。“企業市民”という言葉がありますが、企業は利益を追求する以前に社会的規範を遵守する“よき市民”であることが求められているのです」(同)

 おでんのパック販売は食品廃棄を抑える面もあるが、従業員の作業を軽減させることで、現場のアルバイトや加盟店オーナーの視点に立っているというアピールにも一役買っている。しかし、企業は大きくなればなるほど業績面での成長が期待されているのも頭の痛いところ。

「ですから、今後多くの企業は、社会の持続と企業の成長の均衡点を模索するような時代になるのではないでしょうか。社会との共存を無視した企業はやがて淘汰されるでしょうし、一方で慈善事業ではないので利益は度外視できません。難しいですが、短期的に利益が縮小しても、中長期で組織全体の成長が期待できる戦略を企業は考えていかなくてはなりません」(同)

 大量消費主義の恩恵に浮かれてきた日本を含む先進国。その転換期を迎えて企業はどう対応するのか。倫理と経済活動の狭間に取り残されないためにも、企業だけでなく、国民一人ひとりが考え方をアップデートしなくてはならない時代に突入したようだ。

(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季)

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