19年の販売数量はキリンがプラス、アサヒはマイナスと明暗

 ビール国内大手4社は2020年の事業方針を発表した。19年の国内ビール類(ビール、発泡酒、第3のビール)市場は数量ベースで前年割れとなった。市場の縮小は15年連続である。

【4社のビール類の2019年間販売数量】(1ケースは大瓶20本換算)

アサヒビール   1億4196万ケース  前年比3.5%減

キリンビール   1億3550万ケース  同0.3%増

サントリービール   6365万ケース  同1.0%増

サッポロビール    4347万ケース  同2.6%減

本麒麟」が大幅に伸長したキリンは2年連続のプラス。サントリーは「金麦<ゴールドラガー>」をはじめとする金麦ブランドが2ケタ増となった。一方、アサヒの「クリアアサヒ」は前年比14%減と大きく落ち込んだ。第3のビールの好不調が明暗を分けた。販売量を基にしたシェアは首位のアサヒの36.4%に対して、キリンは35.2%と1.2ポイント差となった。キリンが首位奪還に王手をかけたということだ。

キリンは「本麒麟」、アサヒは「スーパードライ」で勝負する

 20年10月には酒税改正が行われる。350ミリリットル缶1本当たりでビールは77円から70円へと減税になる。一方、第3のビールは28円から37.8円へ増税される。2026年に発泡酒を含め、ビール類酒税を54.25円に一本化するための前段階的な措置だ。第1弾の改正はビールに追い風。価格優位性で人気となっていた第3のビールには向かい風となる。

 酒税改正を控え、アサヒとキリンは対照的な販売戦略を打ち出した。キリンは税額が上がる第3のビール「本麒麟」に力を入れる。18年3月に発売した本麒麟はビールに近い味わいが売りで、19年の販売量は1510万ケースと前年比で61%も増えた。

 好調の今こそ、ライバルとの差を広げる好機とみて、「本麒麟」を今年1月中旬製造品より順次大幅に刷新。大麦の配合量を増やし、よりビールに近い味わいにする。本麒麟の20年の販売量は1900万ケースを計画、前年比26%増と強気の目標を打ち出した。本麒麟を第3のビールというカテゴリーの中で、確固たるブランドにする方針だ。