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木村隆志「現代放送のミカタ」

『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』が決して“子ども向けじゃない”理由

文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト
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『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』が決して子ども向けじゃない理由の画像1
【公式】シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。|読売テレビ」より

『今日から俺は!!』『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』『あなたの番です』……この1年あまり、もっともネット上の反響を集めたドラマ枠は、日本テレビ系の『日曜ドラマ』で間違いないだろう。

 突き抜けたツッパリコメディー、SNSをからめた学園監禁サスペンス、2クールの超長編ミステリー。いずれも他枠とは一線を画す挑戦的な作品だっただけに、今冬の『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(読売テレビ、日本テレビ系)にも大きな期待が寄せられていた。

 同作の前評判は、「巷にあふれる悪質なハラスメント、組織の不正、権力者への忖度などのグレーな事件にシロクロつける」という物語と、ダブル主演の清野菜名と横浜流星の華麗なアクションで、“スカッと爽快な勧善懲悪ドラマ”。

 ただ、ミスパンダのビジュアルや、飼育員さんが彼女を催眠で操るなどの設定に「子ども向き」と揶揄する声があるのも事実。初回放送の段階では、その声に同意しかけていたのだが、ここにきて意外に味わい深い作品という印象に変わりつつある。

詰め込んだキャラクター設定の是非

『日曜ドラマ』は、『今日から俺は!!』の三橋貴志(賀来賢人)と伊藤真司(伊藤健太郎)、『3年A組』の柊一颯(菅田将暉)、『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』の遊佐清春(賀来賢人)と異色のヒーローが続いているが、今作の川田レン/ミスパンダ(清野菜名)と森島直輝(横浜流星)は、それら以上にぶっ飛んだ設定のキャラクターだった。

 レンは、「“天才美少女棋士”と言われていた」「10年前の放火事件で姉妹のリコを亡くし、ネガティブな性格に」「驚異的な身体能力を持ち、黒のアイマスクをつけたミスパンダに変身する」「溺愛されている母は火事がきっかけで療養施設にいる」「母から檻に閉じ込められるなど虐待されていた」。

 直輝は、「大学で精神医学を学ぶ一方、“メンタリストN”としてテレビ出演」「対象者の眠っている記憶や力を呼び起こして別の人格を刷り込み、コントロールできる」「ミスパンダには『飼育員さん』と呼ばれている」「Mr.ノーコンプライアンスの指示で世の中のグレーゾーンにシロクロつけている」「8年前に父が突然失踪し、遺体で見つかった事件の真相を追っている」。

「よくこれだけ詰め込んだな」と思わせるキャラクター設定であり、アメコミや特撮に近いものがある。こうして文字に書くとキャラクターが渋滞しているように見えるのだが、実際は見れば見るほど愛着が湧く人が増加。ネット上には、「ミスパンダがだんだんかわいく見えてきた」「おどおどしているレンとのギャップがいい」「クールなのに、人一倍正義感の強い直輝に惹かれる」「アクションシーンが本当にカッコイイ」「2人の不思議な関係性がじわじわと好きになっている」などの声が回を追うごとに増えているのだ。

求められるストーリーありきのアクション

 アメコミや特撮の世界観に近いのは、悪人を成敗する痛快さとアクションシーンも同様。直輝の「この男、真っ黒だな。救いようがない」というセリフとともに2人が暴れまわる姿は、翌朝の仕事や学校が気になる日曜夜の鬱な気分を忘れさせてくれる。しかも、今をときめく横浜流星と清野菜名がそろい踏みするのだから、若年層にはたまらないのではないか。

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