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たかぎこういち「“イケてる大先輩”が一刀両断」

レナウンの親会社、中国“ファッション帝国”企業にデフォルト懸念…伊藤忠も共同出資

文=たかぎこういち/タカギ&アソシエイツ代表、東京モード学園講師
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“ファッション帝国”を築くことを明言し、19年6月には「Gieves&Hawkes(ギブス&ホークス)」「Cerruti1881(チェルッティ1881)」「D’URBAN(ダーバン)」「Aquascutum(アクアスキュータム)」をも子会社化し、川上から川下までのバリューチェーンの拡充が見えるに至った。巨額の買収を急ぎ、M&Aには40億ドル(約4,355億円7000万円)以上を費やしたともいわれている。

 筆者が調べた限り、17年3月に取得したアクアスキュータムはグローバルなラグジャリーブランド専門サイトで取り扱われている形跡はない。コレクションの発表も最近は耳にしない。日本では昨年春、神戸に路面店がオープンしたが、いまだ地方百貨店での取り扱いが続いている。バリーの買収後は、眉目を引く話題も発信されている様子はない。大型M&Aの成果は出ているのか、大きな疑問を感じる。

 ちなみに山東如意は13年に日本のレナウンを子会社化しているが、以下は昨年6月21日付けレナウンの「非上場の親会社等の決算に関するお知らせ」で発表された2018年12月末時点での財務諸表である。

レナウンの親会社、中国“ファッション帝国”企業にデフォルト懸念…伊藤忠も共同出資の画像3

 19年10月に大手格付け会社ムーディーズは、山東如意をB3(投機的格付け)に格下げした。それを受け、山東如意が本社を置く山東省済寧市系の融資平台の済寧市城建投資が、26%の株式取得と20億元の債務保証を申し入れるなどし、デフォルトの懸念が浮上している。12月には英紙「The Sunday Times」が、ポルトガルのテキスタイルメーカーが山東如意を相手に、未払いの支払い請求裁判を香港で起こすと報道した。

 ブルームバーグによると、19年12月6日、山東如意のドル建て債が過去最低値を記録。充分な相乗効果に至っていないなかでの早急過ぎるブランド取得の結果がどうなるのか、今後も注視していきたい。

3.中国企業買収ブランドで起きた粉飾決算事件

 フランスの「LANVIN(ランバン)」も18年に中国の復星国際有限公司(Fosun International Ltd.)に買収された。復星国際もアメリカの「ST.JOHN(セント・ジョン)」、ジュエリーブランド「Folli Follie(フォリフォリ)」などを傘下に収める。11年に取得した「フォリフォリ」の決算について米ヘッジファンドのQCMが投資家から依頼を受け調査したところ、16年の財務報告書には販売店630店と書かれているが、実際には289店しかなかった(中国誌「国際金融報」より)。

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