全国で見ると、19年の建設業の倒産は1444件で前年度比0.9%増、11年ぶりに増加。復興需要やオリンピック需要で活況を呈し、倒産抑制の牽引役となっていたが、今後の推移が注目される。

 都道府県別では、東京180件、大阪158件、神奈川・愛知が107件、埼玉80件の順。東北の建設業者の倒産を県別に見ると、青森12件、岩手9件、宮城35件、秋田4件、山形11件、福島15件となっている。宮城に次いで多い福島は原発事故に伴う除染工事で潤ったが、それもほぼ終了したことが影響している。

 一方で、倒産を避けられたケースもある。たとえば、大手ゼネコンが被災地で行った工事に下請けとして入った地元の専門工事会社は、その数年間で大手との関係をうまく構築する。そして、今度は東京五輪関連で首都圏で建設需要が高まると、大手ゼネコンはそちらのプロジェクトに参画することになり、その専門工事会社も再び下請けとして受注するという流れだ。その専門工事会社は東京営業所を設立し、首都圏の建設職人の拠点となっているという。

「被災地の復興工事は、今は高い技術を要するものに質が変わってきています。そのため、被災地の工事が縮小していくと業者の倒産も増えるでしょう。もともと工事が少なかったところに、復興のために設備投資や職人確保がなされましたが、今はそれが重荷になっているのです。技術がある会社は引き続き受注し、経営が安定しますが、土木、除染、がれき処理、解体などに依存していた業者は厳しいでしょう」(同)

復興バブルの終焉

 また、もうひとつの課題が高齢化だ。東京商工リサーチの調査によると、最近の人手不足関連倒産は、代表者や幹部役員の死亡、病気入院、引退などによる「後継者難」型が多くなっている。「経営者の年齢層が高いほど、業績が悪くなる傾向にあります」(同)

 東京商工リサーチの19年「休廃業・解散企業」動向調査によると、19年に休廃業・解散した企業は全国で4万3348件、代表者の年齢は60代以上が8割を超えている。産業別では建設業が7027件と多く、高齢化による事業承継の難しさが浮き彫りになっている。

 今夏の東京五輪が終わった後、“五輪バブル”崩壊後の建設業界がどのような道筋をたどるかは不透明だが、少なくとも、東日本大震災の復興バブルはすでに終焉したといえそうだ。

(文=長井雄一朗/ライター)

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