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森友問題:大阪地検特捜部、誤った事実に基づき懲役7年を求刑…検察が調査へ

文=青木泰/環境ジャーナリスト
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検察の大失態

 検察は論告求刑の結びの中で、大阪府・市から詐取されたとする被害総額について、「弁済がされていない上、弁済の見込みもなく、酌むべき事情を考慮しても、その犯行態様の悪質性、罪質、結果の重大性などその行為の重大性に見合った処罰を受けさせるのが相当であることは論を待たない」「被告人両名を厳罰に処罰しなければ、(略)弁済されていない(略)詐欺事案の実質的被害者である大阪府民及び大阪市民も救われない」と主張していた。補助金詐欺罪の最高刑が5年のなかで懲役7年という求刑の根拠が、大阪府・市から詐取した補助金詐取については弁済(返済)されていないというものであった。今回、その事実が誤認だったと籠池氏は指摘した。

 今日まで検察の論告求刑に書かれたことが虚偽の事実であることに籠池氏が気が付かなかったのは、300日の勾留やその後の保釈条件で事実を知る機会を奪われていたためである。森友学園の理事長は17年3月に籠池泰典氏から娘の町浪氏に交代し、泰典氏と諄子氏は17年7月末に逮捕・勾留された後に家族とも接見禁止となり、保釈後も保釈条件として家族との接触禁止が続き、詐取したとされる補助金の一部が返還されている事実を確認する機会がなかった。昨年の結審後にようやく町浪氏に会うことが許され、泰典氏は返還の事実を知った。

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平成29年度総勘定元帳

 発表によると、現理事長の町浪氏が「平成29年度総勘定元帳」(写真3)の写しを入手し、泰典氏がそこに大阪府・市に対して弁済が行われていたことを確認し(※2)、今回の弁論再開の申し立てとなった。この補助金詐取に関しては、籠池夫妻がサステナブル補助金詐取で逮捕、勾留された後の2017年9月に追加的に起訴されている。したがって、籠池夫妻は今日まで弁済の事実を掴むことも反論することもできなかった。

 裁判所からの連絡によって検察は管財人への調査を始めたということだが、やはり白々しさはぬぐえない。事実経過を見ると2つの点で疑問を感じる。まず第1に、森友学園が返済したのは18年3月である。検察はその事実を調べ、つかむことなく「弁済はない」としたのか。第2に、疋田管財人から裁判所に出された回答書は、19年6月に検察も受け取っており、論告求刑(19年10月)前に事実をわかっていたはずである。

 以上より、単なる失態ではなく、検察は意識的に事実と180度違うことを論告求刑に書き、被告の情状酌量に蓋をした疑いが濃厚である。虚偽の事実で被告人の罪を重くするという違法な求刑といえ、刑事裁判では許されないことである。どちらにせよ公訴棄却が相当となるのではないか。

事実誤認は2回目

 本件裁判で検察による論告求刑における間違いは、ほかにもある。サステナブル補助金の容疑内容と詐取金額にかかわる誤認である。

 すでに本件は19年12月25日に当サイトで報告しているが、検察がサステナブル補助金の補助要項を読み誤り、容疑内容も詐取金額も根拠なく起訴理由とした点が問題である。検察の解釈は、事業採択時点で実施設計に取り掛かっていれば補助金を受領できないというものだった。森友学園は15年3月に実施設計を済ませ、同年7月に補助金申請を行い、同年9月に採択されていた。したがって、そもそも補助金の受領資格がなかったため、受領した約5644万円全額を詐取したというのが検察の論告求刑での主張であった。

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