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さんきゅう倉田「税務調査の与太話」

副業を確定申告すべき?秘密の副業は税務調査で会社にバレる?…税務調査官、成績アップ狙い無謀な調査

文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人
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 社長の回答にしびれを切らしたのか、従業員が個人的に取引をしていると言ってきました。寝耳に水です。さらに調査担当者は、従業員の個人的な取引は会社の売上だと言ってきたのです。青天の霹靂です。

 社長は関与していませんし、理由がよくわかりません。「就業規則で禁止しているのだから、会社の業務と同じ種類の副業は、会社の売上である」という理屈のようです。

「会社が副業を禁止しているからといって、副業が会社の売上になるというのは論理的ではありません。規則違反で彼を処罰します。税務署は、彼の個人的な申告漏れを是正してください」

 調査担当者は、社員が副業分の所得税の申告をしていないことを理由に、会社の売上だと主張しましたが、社員が申告していないのは社員自身の責任です。会社は年末調整をきちんと行っており、なんの責任もないはずです。社長がずっと認めないので、調査担当者は最終的にはあきらめて帰っていきました。

 調査に来た法人課税部門の人間からすると、副業が会社の売上除外になれば自分の成績になりますが、従業員個人の申告漏れになれば、個人課税部門に引き継ぐことになるので、自分には関係なくなってしまいます。だから、なんとしても売上除外にしたかったのかもしれません。それにしても、論拠のない無理な内容だと思います。

 その後、副業が社長に知られたことで信用を失った従業員は、調査担当者のところに怒鳴りこみ大暴れしたそうです。

 このように、副業を申告しないと会社にも迷惑をかけることがあります。そのことで、なんらかの処罰も想定されますので留意しましょう。

(文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人)

●さんきゅう倉田
大学卒業後、国税専門官試験を受けて合格し国税庁職員として東京国税局に入庁。法人税の調査などを行った。退職後、NSC東京校に入学し、現在お笑い芸人として活躍中。2017年12月14日、処女作『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』(総合法令出版)が発売された。

「ぼくの国税局時代の知識と経験、芸人になってからの自己研鑽をこの1冊に詰めました。会社員が社会をサバイバルするために必須の知識のみを厳選。たのしく学べます」

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