ビジネスパーソン向け人気連載|ビジネスジャーナル/Business Journal
ただ、暖房の効いた温かい部屋にいるとエネルギー消費量は小さくなるので、暖房の設定温度を低くしたり、換気をしたり、気温の低い外に出る時間を増やすことも大事です。寒いと外に出ることがおっくうになりますが、冷たい風を感じながら「エネルギーが使われているんだ」と思えば、少しは寒さも楽しくなりませんか?
そして、「食事誘発性熱産生」ですが、これは食事をすると発するエネルギーといいましたが、全エネルギー消費量の約10%程度とされています。何を食べるかで、この消費量は大きく変わってきます。
食べたときに最も身体がエネルギーを使うのが、「たんぱく質」です。最近のたんぱく質ブームで、肉や魚、卵、豆、乳製品を積極的に摂っている方も多いかと思います。これらのたんぱく質は、主食の米やパスタなどを食べるよりも、多くのエネルギーを消費します。しかもたんぱく質は、筋肉や骨などの成分にもなり、たんぱく質摂取と気温の調整をうまく利用することが重要となってきます。
タンパク質は分けて食べる
では、これからは食事においてどのような意識を持てばよいでしょうか。まずはこれまでの自分の食事を基本に考えます。先ほど、たんぱく質を多く含む食材を5種類あげましたが、毎食これらのうち、どれか一つでも摂取するように意識してください。たんぱく質はまとめて食べるよりも、回数を分けて摂ることがコツです。
次に、1日5種類を摂るように心がけてください(アレルギーのある食材は除く)。よく鶏肉だけ、卵だけ、と同じ食材に偏って食べる人がいますが、そうすると摂取できる栄養素にも偏りが出てきて、疲労や便秘などの原因となることもあり、腸内環境が悪くなるとメンタル面も含めてあらゆるところに不調が出ることもあります。「朝ごはんで卵を食べたら、昼は肉、夜は魚」というように、なるべく摂取するたんぱく源を変えてみましょう。
ほんのちょっとしたことが、身体には大きな変化となって表れます。ぜひ、いい変化を得られるように、まずは寒さを味方にしてみてはいかがでしょうか。
(文=川端理香/管理栄養士)