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今回、持ち株会社体制を解消し、事業会社LIXILとの合併計画を打ち出した狙いははっきりしている。瀬戸体制を強固にし、潮田派を完全に一掃することを企図している。潮田氏は現在も3%程度の株式を保有する大株主と見られるが、周囲には「学究と趣味に生きたい」と話しているそうだ。しかし、潮田氏がこのまま隠居すると見る向きは皆無。そう簡単に引き下がらないだろう。持ち株会社体制の解消、事業会社との合併をめぐって、一波乱起きるかもしれない。
消費増税は駆け込み需要より反動のほうが大きかった
LIXILグループの19年4~12月期の連結決算(国際会計基準)は、売上高にあたる売上収益は前年同期比1%増の1兆3964億円、営業利益に相当する事業利益は39%増の517億円、純利益が14.4倍の306億円だった。ドアや窓の建材事業やトイレなどの水回りは国内向けが好調で、米国やアジアの低迷を補った。
それでも、国内事業では消費増税の影響が出た。会見した瀬戸CEOは「駆け込み需要より反動のほうが大きかった」と分析した。消費増税後の10~12月期3カ月の国内事業は、売上収益が前年同期比4%減の3417億円、事業利益は20%減の226億円だった。20年3月期通期の業績予想は据え置いた。先行きについては新型肺炎など不透明要素が多いためという。売上収益は前期比1%増の1兆8500億円、最終損益は150億円の黒字(19年3月期は521億円の赤字)を見込む。
瀬戸氏追い落としの口実を与えないためにも、大幅な黒字転換を成し遂げなければならない。6月の定時株主総会に向け、瀬戸CEOと潮田前CEOの最終決戦が始まろうとしている。
(文=編集部)