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藤井泰輔「あなたの生活をサポートするお金のはなし」

かんぽ不正どころか、みんな金融機関には痛い目に遭っている…“無料”に踊らされ結局は損

文=藤井泰輔/ファイナンシャル・アソシエイツ代表
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まずは、サービスは有料であるという意識を持つ

 私は、結構昔からコンピューターを使っているのですが、インターネットが出始めの頃、「こんな情報がタダで取れてもいいのか?」と疑問に思ったものです。今では、インターネットも当初と違って一定部分が商用と結びつき、情報が広告などと絡んでタダではないという認識も多くの人が持っていますが、それにしても、日本人の情報やサービスに対するコスト意識は低いように感じます。

 生命保険販売の現場では、無料相談というのが最近幅を効かせています。では、なぜ彼ら(私と同じ保険代理店)は、ことさらに無料相談を掲げて人を集めたがるのでしょう。それは、取りも直さず相談に来た人たちから契約を取ることが目的であることは容易に想像がつきます。銀行や証券会社など金融機関が催す無料相談会や無料セミナーなども同じ趣旨です。

 保険販売の仕事をしていて特に思うのは、多くの人の意識に、「サービスは本来有料である」ということが欠けているのではないかということです。私のところへも、「本を読みました」「記事を拝見しました」などと言って、保険の相談を持ちかけられることがあります。そのこと自体はありがたいのですが、依頼に対して誠意を持って対応した挙げ句、その内容を参考にして近所の代理店で契約をしましたと平気で言ってくる人がいるのには閉口します。それならば、最初からそこで相談すればいいのに……。量販店で説明を受けて、家電製品をネットで購入するのと同じ扱いです。

 それよりもっとひどいのは、時間を掛けてつくった回答に対して、礼のひとつも言ってこない人もいるのです。

 それもこれも、保険相談は無料、サービスはタダという認識がそうさせているのではないかと思います。ただ、問題は、そうした方法で安直に金融商品の購入を決めた人には、金融リテラシーは身につきにくいということです。

 話が少し脱線してしまいましたが、金融商品一般について、人の手が介在しているところには必ずコストが掛かっているわけで、本当に無料などということはないことにまずは意識を持っていかなければいけないということです。それが一見無料のようでも、情報発信をする側は、なんらかの形でそのコストをカバーしようとするのが自然で、それは、結局購入者が支払うのが道理だということです。

 投資信託にしても、投資の対象を人が選んで商品を組み立てている以上、そこにコストは掛かるわけですし、それが販売手数料や信託報酬として、購買者側の負担になることは誰にでもわかる事実です。最近では、競争が激しく、売る側も手数料収入の減少に苦慮しているようですが。

 そうした金融商品に掛かるコストをしっかりと計算することなく、過去の運用実績のみを頼りに商品選びをするようでは、金融リテラシーはゼロと言わざるを得ません。

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