また今回の習氏の訪日は対米、北朝鮮外交で思ったような成果が残せていない安倍晋三首相にとっても大きな外交的な成果につながるはずでした。新型コロナウイルス問題発覚以降は、中国政府以上に習氏の訪日を誰よりも望んでいたのは日本政府だと思います。

 米中経済摩擦もあって、『中国をハブとしたサプライチェーンから転換すべきだ』という議論は盛んにされましたが、今現在も達成されていません。日本経済団体連合会(経団連)は中国との関係悪化やヒト・モノの移動が制限されることを恐れていました。習氏の訪日には賛成でしょう。

 それに加えて、日本の大手メディアの一部は、中国の要人を国際ニュースの情報源にしています。これは戦前から続く伝統です。欧米での報道は一歩遅れをとっても、中国ニュースは強いというのが日本メディアの特徴でした。当然、周氏の訪日で新しい情報源の獲得の可能性も増えますし、日本国民の機運が高まれば記事もたくさん読まれます。ただ今回の新型コロナウイルスの報道はそうはいかなかったようですが…」

 ブルームバーグは25日、「東京株式相場は大幅続落し、TOPIXと日経平均株価の下落率は一時4%を超えた。新型コロナウイルスのさらなる感染拡大で世界経済への懸念が高まり、電機など輸出関連、医薬品中心に全業種が安い」と速報した。チャイナリスクの顕在化はもはや目に見えて明らかだ。政府や財界、マスコミが期待する「習氏の訪日」というイベントだけで、この局面を覆すのは難しくなりつつある。

(文=編集部)

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