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公立学校休校、文科省も寝耳に水で大混乱…安倍政権、批判漏らす官僚の犯人捜す“恐怖政治“

文=編集部
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萩生田光一文科相(ロイター/アフロ)

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、安倍晋三首相が打ち出した「全国すべての小中学校、高校の臨時休校要請」。衝撃の一夜が明けた東京都霞ヶ関の官庁街では、早朝から赤い目をこすりながら登庁してくる文部科学省職員の姿があった。突如として厚生労働省から文部科学省にまで拡大した“コロナ防衛線”の拡大を受けて泊まり込んだ職員も多いという。みな一様に口は重く「想定を超える拡大方針です。とにかく官邸に聞いてください」「何も言えないことになっている」「現段階では何も言えない。どこで何が決まったのかもわからない」と足早に通り過ぎていく。

 岩盤規制撤廃、官僚主導の政治脱却を目指した現政権。「スピード感のある政策実現」「決められる政治」の結末がこれだ。全国の教育現場で混乱が広がるなか、事態を掌握できていなければいけないはずの文科省ですら、この異常な状況に翻弄されている。

結局、責任と判断は自治体に丸投げ

 萩生田光一文科相は28日朝、閣議後の記者会見で次のように語った。

「この状況を乗り越えるため、この1、2週間は極めて重要な時期だと判断した。臨時休業を実施する期間や形態については地域や学校の実情を踏まえて、設置者においてさまざまな工夫があってよいと考えている。行政機関や民間企業には引き続き、休みがとりやすい環境を整えてもらうとともに、保護者への配慮をお願いしたい。こうした措置に伴って生じるさまざまな課題に対しては政府として責任をもって対応していく」

 こうした発言を与党関係者は次のように解説する。

「つまり、首相は強い言葉で要請はしたが、最終的には自治体の責任で判断してほしい。加えて官邸のいつものロジックからすると、政府は責任をもって対応するが、責任を取るとは言っていないということですね。これは、各都道府県知事や自治体首長から批判が殺到するでしょう。しがらみにとらわれた政治決定プロセスでは、迅速な問題対処ができないかもしれません。それでも、混乱を防ぐための最低限の根回しは必要だったのではないでしょうか。公明党はもちろん自民党内ですら、まともなコンセンサスは取られていません」

緊急事態にもかかわらず“反乱分子”探し

 そんな状況下なのにもかかわらず、官僚や現場公務員への統制だけは強まっているようだ。政府関係者は次のように話す。

「クルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス』での感染拡大以降、厚労省などの現場職員から『すぐ特定されてしまうので、言えない』とのコメントが増えていると思いませんか?

 マスコミは取材源の秘匿を守るためにそれなりのノウハウを持って取材対象者と接触しているようですが、官邸がやっきになって『S』(スパイ)や『穴』の存在を探っています。機密情報はもちろんのこと、安倍晋三首相や政府対応に批判的な感想や愚痴を漏らすのもアウトです。

 普段でも新聞や雑誌へのリークが確認されるたびに各省内で非公式に情報源探しが行われ、『あいつではないのか』といった噂話が流れますが、現在の状況ははっきりいって異様です。国の一大事ですから関与するのは当たり前なのかもしれませんが、内閣情報調査室が動いているという話もあります。もうコロナに対応する各省の職員は軽々に口を開けません」

 官邸が自己防衛に労力を注ぐ中、感染者が増えている北海道の鈴木直道知事は28日午後5時半、緊急事態宣言を出した。28日から3月19日まで道民に対して不要不急の外出控えるよう呼びかけた。

 日本史上に残る混乱の週末は始まったばかりだ。ゴールはいっこうに見えない。

(文=編集部)

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