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ホンダ・クラリティPHEV…プリウスを圧倒するプラグインハイブリッド…でも売れず

文=萩原文博/自動車ライター
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2018年7月に販売開始された、ホンダのクラリティPHEV

 一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表している、毎月の新車販売台数ランキング。2019年10月には約11年振りに首位を奪還したトヨタ・カローラが話題となり、カローラはその後12月分までトップをキープ。最新の2020年1月分においてもトヨタはベストテンに7台をランクイン、販売が好調なことをアピールしている。

 しかし、販売が好調な車種もあれば、ランキングに載らない販売が苦戦している車種もある。今回は、そんなランキング外車種の中でも、2019年後半の販売台数が常に月間一桁という、「存在していて大丈夫なのか……?」と不安になる車種にスポットライトを当ててみよう。ちなみに、軽自動車や、他社に製造委託・販売するOEM供給車は省くこととする。

満充電時のEV走行距離はプリウスPHVに圧勝

 2019年12月、新車販売台数がもっとも少なかったクルマはホンダ・クラリティで、なんとわずか3台。この月だけが少ないのかと思いきや、同年8月以降は常に一桁であり、10月は9台、11月は2台だった。街中で……というか、そもそも日本で見かけることさえ困難そうなこのクラリティとは、一体どのようなクルマなのだろうか?

 ホンダ・クラリティは2016年3月、まず水素を燃料とする燃料電池車のフューエルセル・モデルをリースで販売開始。そして2018年7月には、プラグインハイブリッド・モデルであるクラリティPHEVを一般販売した。販売台数一桁台というのは、後から発売されたクラリティPHEVも含めた数字だと考えられる。

 このクラリティPHEVは、家庭用200Vの普通充電に加えて、チャデモ方式(電気自動車の充電規格のひとつ)の急速充電ポートを採用し、普通充電であれば約6時間で満充電となり、急速充電だと約30分で満充電の80%の充電が可能で、満充電時のEV走行距離はJC08モードで114.6kmを実現。同じ国産車のPHEVで比較すると、トヨタ・プリウスPHVの68.2km、三菱・アウトランダーPHEVの65kmを大きく上回っているのだ。

 しかし、販売台数はプリウスPHVが500台、三菱アウトランダーPHEVが228台(2019年10月)と、クラリティPHEVを大きく引き離している。しかもプリウスPHVやアウトランダーPHEVは月に1000台以上売れることもあるので、2019年の年間販売台数が110台のクラリティは、国産PHEVの中では圧倒的な一人負けの様相となっているのである。

新世代の高級車、ホンダセンシングを標準装備

 筆者は実際にクラリティPHEVに試乗したことがあるが、高い空力性能を誇る5ドアハッチバックのスタイリングはちょっと未来的。しかもプリウスPHVはマイナーチェンジで5人乗りと変更されたが、デビュー当初は4人乗りであった。プリウスPHVのこの変更の理由は、クラリティPHEVが元々5人乗りだったということも理由として挙げられる。

 1.5L直列4気筒ガソリンエンジンと駆動用そして発電用の2つのモーターを採用した、クラリティPHEVの「スポーツハイブリッドi-MMDプラグイン」と呼ばれるプラグインハイブリッドシステムは、WLTCモード燃費で24.2km/lという優れた燃費性能を実現。クラリティPHEVを運転してみると、モーター独特の鋭い発進加速力、そしてガソリン車では実現できない高い静粛性など、新世代の高級車に相応しいポテンシャルを持っていることがわかる。

 大型のバッテリーを搭載するプラグインハイブリッド車ながら、床下にバッテリーや燃料タンクを最適に配置することで、トランク容量は512Lを確保。6:4分割可倒式のリアシートを倒せば、さらに荷室が拡大する。加えて、新世代車に相応しい安全運転機能も充実。フロントグリルに内蔵したミリ波レーダーとフロントガラス内に設置した単眼カメラによって、周囲の対象物を検知する運転支援システム「ホンダセンシング」を標準装備。高速道路での追従走行も可能で、ドライバーの疲労も少ない状態で移動できるのだ。

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