元学会エリートたちから見た創価学会

 かつて権勢を誇った旧陸軍も、敗戦により組織は崩壊した。戦時中、そして終戦直後、話すに話せなかった国民の不満が、真偽不明の内容と共に広く伝わってきた。

 今、学会は“活動家”と呼ばれる学会員が高齢化し、その後継が育っておらず、もはや組織的崩壊は時間の問題だという指摘も耳にする。

 そうした学会内部の状況をビビッドに描いたとされるのが、『創価学会よ、大改革を断行せよ!』(創価学会の明日を考える有志の会著・パレード刊)だ。

 同書では、末端の学会員が抱える学会への不満が描かれている。そして、学会に内在する問題点を指摘、その改善策を提言している。

 同書にせよ、前出の『実名告発 創価学会』にせよ、そこで描かれている内容が、はたして真実か否か、本当の学会の姿かどうかは、外部にいる私たちにはわからない。

 だが、両書を通して、かつて一枚岩といわれた学会内部に異変が起こっていることは窺い知ることができる。

外部からの声で「池田氏の精神」が体現される学会の今

 創価学会では「座談会」と呼ばれる会合がしばしば行われる。そこでは池田氏の著作や言葉を通して信仰を深めるべく、会員に向けて幹部が指導を行うのだが、近頃では池田氏に代わって、学会に理解のあるといわれる作家・佐藤優氏の著作や言葉が、しばしば取り上げられるという。

 今、学会は3世、4世の時代といわれる。聞き慣れた池田氏の著作や言葉よりも、学会外部の佐藤氏の著作や言葉、その生き様を通した指導は、会員らにとって、「外からの目」を養うことにもつながり、それがかえって信心を深めることにつながっていくという。会員のひとりは、その様子を次のように語る。

「他人を裏切らない――。そんな佐藤氏の生き様は、私たちの師匠、池田先生が戸田先生と共に牢獄まで付き添って権力と戦ったそれと似ています。だから、佐藤氏の著作は、私たちにはとても響くのです」

 学会では、2015年の安保法制騒動以降、元学会エリート3人組とそのシンパの排除に成功したといわれる。これにより学会は「一宗教団体」から「政権与党・公明党の創設団体にして最大の支援団体」へと脱皮。会員たちは、“与党の支援団体の構成員”としての責任を自覚、宗教を通して平和を目指すという「池田氏の精神」をより深く自覚し、その実現に向けて行動するようになったという。

 こうした流れが学会の中で今、実現しつつあるというのは、なんとも皮肉である。

 そんな外からは窺い知れない「池田氏の精神」や学会の実態について描かれているのが、この両書だ。

 二・二六事件でも、その是非はさておき、反乱軍とされた青年将校側に立った作品は、今でも面白い。同じく、創価王国のキャリア組だった元学会エリート3人組や、今なお残る学会側からみれば不満分子、彼ら自身は改革派と称する人たちによるインサイドウォッチもまた、ごく一般の世界に生きる私たちが、ビジネスの世界で生き残る上で参考とすべきところ大だ。是非、ご一読あれ。
(文=佐津川剛/宗教ライター)

二・二六事件―「昭和維新」の思想と行動 (中公新書)新書 – 1994/2/1
高橋 正衛

実名告発 創価学会 2016/11/15
野口 裕介、滝川 清志、小平 秀一

創価学会よ、大改革を断行せよ! – 2020/2/4
創価学会の明日を考える有志の会

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