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石原結實「医療の常識を疑え!病気にならないための生き方」

新型肺炎、中国人の裕福化&飽食も原因?「葛根湯・カレー・サウナが効く」は本当?

文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士
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(1)飢饉のとき、エチオピアのソマリア遊牧民に食料の供給が行われると、マラリア、ブルセロージス、結核などの感染症が突然起こった。

(2)中世時代のイギリスにおける痘瘡は、貧しい人々より金持ちの人々をより多く苦しめた。

(3)第一次大戦中に発生したインフルエンザにおいては、十分に栄養が行き渡っている人々に最大の死亡率が示された。

(4)第二次大戦中、ある過密状態にあったキャンプにおいて、低栄養状態におかれた人々が麻疹やチフスに対して最低の罹患率を示した。

(5)1830年代にE.チャドウィックがイギリスの刑務所において行った調査によると、十分に栄養を与えられた囚人の、疫病の罹患率は23%、死亡率は0.4%。十分に栄養を与えられなかった囚人の罹患率は3%、死亡率は0.16%と有意な差が認められた。

(6)インドでは乾期に草がなくなると家畜の餌が少なくなり、動物はやせ細るが、家畜の伝染病の罹患率は最低になる。モンスーンの季節になり雨期になると動物の餌となる草が茂り、それを食べて家畜が太ってくると家畜の伝染病が急激に増してくる。

 以上、マレイ博士が集めた事例は多岐にわたっている。つまり、「低栄養のほうが感染症に対して抵抗力が強く、高栄養では抵抗力が弱くなる」わけだ。臨床医学の現場からも、「極度に栄養状態の悪化している患者に点滴により高栄養を与えると、肺炎など重篤な感染症を起こすことがよくある」ことが報告されている。

 私が33年前に訪れた中国では経済状態が悪く、食事も粗食だったのだろう、通りで行きかう中国の人々はみな細身であった。今は、日本より金持ちの経済大国になり、多くの中国人が美食・飽食に陥っている。これこそがコロナウイルスによる新型肺炎の蔓延の真因であるといってよいのではないか。

 火薬、紙、羅針盤など多くの文明の利器を発明・考案した優秀な中国民族の頭脳は、きっとこの点に気づき、今後の感染症対策のひとつにしてくれることを願う。美食・飽食のなかにどっぷりつかっている日本人も、コロナウイルスの蔓延の本当の原因に、思いを致してほしいものだ。

(文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士)

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