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川端理香「惑わされない! 栄養と食の本質」

新型コロナ等のウイルス、体内侵入を自分でチェックする方法…咽頭の下、足の付け根

文=川端理香/管理栄養士
新型コロナ等のウイルス、体内侵入を自分でチェックする方法…咽頭の下、足の付け根の画像1
新型ウイルス肺炎が世界に拡大 回復患者が血漿を提供(写真:Featurechina/アフロ)

 新型コロナウイルス感染の拡大のため、急遽学校が休校になったり、時差通勤やリモートワークが推奨されるなどしています。マスクや消毒液をはじめトイレットペーパーやさらには米やカップ麺なども店頭から消え、購入できないような状態も続いています。2011年の東日本大震災時を思い出した方もいるかもしれません。

 食品でいえば、米やカップ麺、さらには冷凍食品や缶詰などの品薄状態は、休校となったために自宅で子供たちが食事をするようになったことが理由のようです。ただ、そういう理由ではなく、新型コロナウイルスに効果があるということで人気が出た食品もあります。その一つが「あおさ」です。これは某大学が「あおさが新型コロナウイルスを抑制する効果に期待」というプレスリリースを出した影響のようですが、その後さまざまな指摘を受け、大学側は意図した内容と違ったとしてリリースを削除しました。

 あおさ以外にも、納豆、サプリメントのビタミンD、栄養ドリンクなど、挙げればきりがないほどの食品が抑制効果があるといわれましたが、そもそもが治療薬や特効薬などが見つかっていない状態です。未知のウイルスに対してさまざまなデータを集めている段階で、一つの食品に効果があると断言できるものでしょうか。普段はよく考えればわかることも、心配したり心が穏やかでないと、噂や周りの行動に流されることがあります。エビデンスがあるかどうか。まずはそこを明確にしたいものです。

「自然免疫」と「獲得免疫」

 さて、新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザなどの感染症を予防する話になると、免疫という言葉をよく耳にします。免疫、つまりは疫を逃れるということですが、これはもともと私たちの身体に備わっている防御システムで、「自然免疫」と「獲得免疫」があります。

 身体は内部に入ってきたウイルスを、まずは自然免疫によって破壊したり、もしくはそのウイルスの情報を読み取ります。ウイルスに自然免疫を突破されると、次に獲得免疫が働きます。この両方の働きをするのが免疫細胞です。この免疫細胞が仕事をする場所は血液とリンパ液であり、体中をめぐってウイルスなどと戦います。そして体の各所にあるリンパ節というところで、ウイルスなどが浄化されるのです。

 このリンパ節は、咽頭の下や足の付け根などにあります。体調が悪くなるとその部分が腫れることがありますが、こういった体の反応は自身でチェックできます。そしてこの免疫細胞がもっとも多くいる場所が小腸です。小腸は免疫にも関与するだけでなく、もちろん食べた食品の栄養素を吸収する働きがあります。例えば米を食べた場合。主な栄養素の炭水化物はぶどう糖などになり腸から吸収されます。

 ところが、この糖質を種類によっては小腸でうまく吸収できない人がいます。詳しくは次回お話しますが、「FODMAP(フォドマップ)」といって、簡単にいえば自分に合わないために吸収すると腸内環境が悪くなるのです。その種類には、豆類、乳製品はちみつ、くだもの、きのこ、野菜など、本来であれば腸内環境をよくするといって評価が高い食品も多いのです。

 これは食べ物の消化吸収には、人間の間でも個体差があるということです。多くの人にとって良いけれど、自分には合わないものもある。デマに振り回されないことだけでなく、本当に自分の身体にとって合うかどうか。それは食べた後の自分の身体の調子、変化でもわかります。こういう時期だからこそ慌てずに、落ち着いてよく噛んで食事をする。それを意識してみてはどうでしょうか。

(文=川端理香/管理栄養士)

川端理香/管理栄養士

川端理香/管理栄養士

昭和女子大学非常勤講師。2004年アテネオリンピック「VICTORY PROJECT」チーフ管理栄養士、08年北京オリンピック委員会強化スタッフ。JリーグやVリーグ、プロ野球、プロゴルフ、ラグビーなど多くのトップアスリートをサポート。著書多数。一般を対象にした講演などの食育活動や執筆、レシピ開発、企業の栄養アドバイザーも務める。


川端理香オフィシャルブログ

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