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タクシーが乗客を見て「わざと遠回り」は本当にあるのか?現役運転手が明かす裏事情

文=後藤豊/ライター兼タクシードライバー
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 さらに、運転手が不慣れな場合も遠回りが生じる可能性がある。相場より100円や200円高いだけならまだしも、500円以上高い場合は明らかな遠回りといえる。そういう場合は、前述の計算結果などを提示してメーターとの差を訴えよう。「いつもは15分で着くのに30分もかかった」などと乗車時間の違いを訴えたり、よく乗るルートの場合は前回の領収書などを見せたりするのもいいだろう。いずれの場合も、運転手が納得すれば、遠回り分を差し引いた「通常料金」を支払うことで収まるはずだ。

 ただし、タクシーには「時間メーター」も存在する。走行過程で渋滞や工事があった場合、時間により上がってしまった料金は乗客の負担となる。また、泥酔した乗客が目的地に着いても起きないケースも多々ある。この場合、料金を支払うまでに時間がかかり、その間にメーターが上がっても文句は言えない。タクシー運転手が泥酔客を乗車拒否できるのも、トラブルが生じやすいためだ。

 なお、遠回りに「正当な理由」が存在することもある。たとえば、乗客に「急いでください」と言われた場合、ノロノロの近道より、遠回りでも広くて飛ばせるルートを選択することもあるのだ。この場合は乗客も納得してくれるが、困るのが「通れない事情がある近道」を言われた場合だ。

 たとえば、駅付けタクシーの場合、住宅街の細い道を通らないケースがある。なぜなら、細い道が“タクシー街道”になると事故が起きやすく、渋滞の原因にもなるからだ。そのため、そういうルートは「警察の指導」で通行禁止になっていることがあり、乗客に指定されても断わらざるを得ないことがある。

 タクシーに限らず、経済が停滞するとよけいなトラブルが増えるものだ。コロナ騒動の早期終焉を願わずにはいられない。

(文=後藤豊/ライター兼タクシードライバー)

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