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インバウンド急失速、安倍政権の政治的失策で観光業界が大打撃…タイ人誘致に躍起

文=小川裕夫/フリーランスライター
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タイ人観光客誘致

 そして、新たな鉱脈としてタイに注目が集まるようになった。インドネシアに比べると、タイの人口は多くない。人口が多くなければ、費用をかけて訪日プロモーションを仕掛けてもメリットは薄い。それでも観光業界がタイに傾注するには理由がある。

 タイは東南アジア諸国でも観光業が盛んな国でもあり、欧米諸国から多くの観光客が訪れる半面、タイから海外に出かけるハードルも低く、タイからの観光客は増えている。訪日タイ人観光客に着目する事業者も出てきた。成田空港と東京を結ぶ路線を有する京成電鉄や系列の京成バスなどでは、多言語対応として新たにタイ語の導入が進んでいるのだ。京成職員はこう話す。

「現状、看板などでは日・英・中・韓の4カ国語を載せています。これは表示スペースの問題で、たくさんの言語を載せることができないからです。しかし、そうした制約のないQRコードによる情報発信ではタイ語による情報提供が進められています。まだ、京成全体に広がっているものではありませんが、タイ語による案内は確実に増えています」

 浅草や上野といった外国人観光客をたくさん集める台東区は、早い段階からタイ語の観光パンフレットを作成。タイ人観光客の取り込みを図ってきた。タイにはソンクラーンと呼ばれる旧正月の休みが4月にある。この期間に訪日するタイ人観光客が増えれば、観光業界が目指す外国人観光客数の均等化は一気に進む。ソンクラーンは中国人観光客が多く訪れる春節と時期がズレていることも都合がいい。

 問題は東京五輪閉幕後の冷え込みだが、この時期からタイ人観光客の取り込み戦略が本格化するといわれている。まだ、東京・京都・大阪などでタイ人観光客を見かける機会は少ないが、日本の観光業界、そして日本経済の救世主になるかもしれない。

(文=小川裕夫/フリーランスライター)

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