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安倍政権、消費税「減税」論浮上…日銀、ETF含み損で巨額損失か、揺らぐ中央銀行の信頼

文=編集部
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日銀ETFの含み損は2.8兆円

 3月13日の日経平均株価は、終値でも前日比1128円安の1万7431円と暴落した。この結果、日銀が保有するETFの含み損は拡大した。JPモルガン証券の試算によると、13日の終値で含み損は約2兆8000億円まで膨らんだ。含み損は、わずか1日で約1兆5000億円増えた計算になる。

 3月13日時点で日銀は取得時の金額で29兆9400億円分のETFを保有している。19年9月末でETFの含み益が3兆9000億円あったが、株価暴落でマイナスに転じ、苦況に陥った。これまでに保有ETFから、株式の配当を原資にした分配金を1兆7000億円程度受け取っているが、今回、分配金を加えてもリターンがマイナスとなった。

 決算期日は3月末だ。保有するETFの含み損が解消されなければ、日銀は決算で含み額と同額の取引損失引当金を計上しなければならなくなる。損失の計上は、安倍政権の経済政策、アベノミクスの一環として日銀がETFの購入を拡大してから初めてとなる。マイナス金利の導入など異例の経済政策を打ち続ける日銀が巨額の損失を出せば、中央銀行としての信頼が揺らぎかねない。

GPIFの損失は20兆円超の可能性

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用している公的年金積立金にも、多額の含み損や評価損が発生している模様だ。「日経ヴェリタス」(日本経済新聞社/3月15日号)は次のように報じている。

<GPIFの19年12月末の運用資産は169兆9900億円だった。基本ポートフォリオ(国内債35%、国内株25%、外国債25%、外国株25%)通りに配分し、各資産のベンチマーク(株価指数や債券指数など)騰落率と同率の損失を出していたと仮定すると、3月13日現在の運用資産は148兆円程度まで目減りしたと試算できる。損失は内外の株式だけで約15兆円、さらに債券でも約5兆出た>

日銀、社債・CP購入拡大へ

 3月16日の緊急金融政策決定会合で日銀は、大企業が資金調達のために発行するコマーシャル・ペーパー(CP)や社債の購入を増やした。現在はそれぞれ2.2兆円と3.2兆円の残高を維持する目標を掲げているのを1兆円ずつ(合計2兆円)増やす。中小企業の資金繰りを支えるために、金融機関に原資をゼロ金利で貸し付ける制度を新設した。コロナウイルス禍で金融市場と株式市場の動揺が広がっているのを受けて、日銀は機動的に対応する、とした。

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