現在までのところ、新型コロナウイルスに関する暴落は先述した2回である。3月初旬を起点にすると、5月中旬までにあと9回の暴落が起こることで、リーマンショックに並ぶことになる。

 またリーマンの1回目、2回目の暴落が、それぞれ前日終値比で9.4%、9.6%安であったのに対して、今回は同5.1%、6.1%安だ。今年の平均株価の最高値2万4083円(1月20日終値)からリーマン並みの半分の水準まで下落するならば、底値は1万1800円になる。

 想定外のことが起こりやすい株式市場ではあっても、そうなることは、まず考えづらいところだ。下落率からもわかるように、リーマンは10%近くに達するのに対して、今回のそれは数%であり、同じ暴落でも前者は弩級、後者のそれは標準的なものである。また平均株価の1万2000円割れは上場企業(日経225採用銘柄)の解散価値を下回る。

 結果がどうなるかは、感染症流行のピークアウトを待つよりほかはないが、指標を対比してもコロナショックが、リーマン並みやそれ以上になる可能性は高くはあるまい。立場上、警鐘を鳴らす意図が含まれていたとしても、異常心理が増幅している状況下を考えれば、西村大臣の発言は軽率の誹りを免れないだろう。

(文=島野清志/評論家)

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