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湯之上隆「電機・半導体業界こぼれ話」

マスク不足の謎を徹底検証…過去10年で供給量15倍?「顔のパンツ」利用を禁止すべき

文=湯之上隆/微細加工研究所所長
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「実際、マスクを着用してみると感じるのは『口元が守られている』という安心感。逆に長時間つけていると、内臓の一部である『口』をおおっぴらに見せていたのが恥ずかしい気持ちにさえ、なってくるから不思議です。ここまでくると、もはやマスクではなく『顔のパンツ』ともいうべき。文明人には欠かせないアイテム、上品なたしなみに思えてきます(笑)」(原文ママ)

「顔のパンツ」とは、驚きを通り越し、笑う気にもなれない。

マスク不足対策には「顔のパンツ」防止を!

 図1および図4のグラフで、2012年以降にマスク供給量がうなぎ登りに増加しているのは、「だてマスク」もしくは「顔のパンツ」のせいだった。これが平時であれば、マスク業界も潤って「めでたし、めでたし」だったかもしれない。しかし、今回のような深刻なコロナ騒動が生きている今は、「顔のパンツ」を看過することができない。

 現在、コロナ対策のために、真に必要なマスク枚数はどのくらいになるだろうか? 日本の人口は、約1億2600万人である。小中高は臨時休校となり、多くの企業でテレワークが普及し、大規模イベントは軒並み自粛となっている。

 それでも、マスクをして外出しなければならない人たちがいる。その人数を、日本人口の約半分の6000万人としてみよう。1人1日1枚のマスクを使うとすると、6000万人に対して1カ月で18億枚必要になる。図4から日本には、最低でも6億枚のマスクの備蓄があると思われる。さらに、平時では日本国内で全供給量の20%のマスクを生産しており、最近の報道では24時間フル稼働で、通常の2~3倍を増産している。

 2018年の42.8億枚をベースに計算してみると、日本の平時での年間生産量は8億5600万枚、3倍増産したとすると25億6800万枚、1カ月あたりでは2億1400万枚生産できることになる。これに備蓄量6億枚を加えると、最低でも直近の1カ月に8億1400万枚供給可能になる。

 18億枚には足りないが、その半分近くは確保できる。これを6000万人に配布すれば、1か月1人当たり13.6枚になり、2日に1枚は新品のマスクを使えることになる。

 ただし、そのためには、コロナが終息するまでの間、真に必要な人にだけマスクを供給できるように、転売禁止に加えて、「顔のパンツ」としての使用を禁止する必要がある。これはもはや、笑い事では済まされない。

(文=湯之上隆/微細加工研究所所長)

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