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渡辺陽一郎「いちばん詳しい『人気の新車』完全ガイドシリーズ」

トヨタ「ライズ」販売1位の納得の理由…5ナンバーのコンパクトSUV、野性味のある外観

文=渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト
トヨタ「ライズ」販売1位の納得の理由…5ナンバーのコンパクトSUV、野性味のある外観の画像1
トヨタの「ライズ」(「トヨタ ライズ | トヨタ自動車WEBサイト」より)

どんなクルマなのか?

ライズ」はトヨタ自動車が発売したコンパクトSUVです。全長が3995mm、全幅は1695mmの5ナンバー車で、運転のしやすさも特徴です。エンジンは直列3気筒1Lターボを搭載して、燃費性能も優れています。ライズは2019年11月に発売されると人気を高め、2020年の1月と2月には小型/普通車の販売1位になりました。なお、ライズはダイハツ製のOEM車で、ダイハツブランドの姉妹車には「ロッキー」があります。

人気を得ている理由

 今はSUVの人気が高いですが、大半の車種は海外市場を重視して開発され、ボディはワイドな3ナンバーサイズです。その点で、ライズは数少ないSUVの5ナンバー車なので、需要が集中しています。また、「C-HR」や「ヴェゼル」などのコンパクトSUVは外観が都会的ですが、ライズは直線基調で悪路に強い印象があります。この、「RAV4」を小さくしたような野性味のある外観も人気の理由です。

気になる8つのポイントチェック&星取り採点

(1)居住空間の広さとシートの座り心地

★★★☆☆

 前席は座り心地が良く、頭上の空間も広いです。後席は4名乗車は可能ながら、足元の空間は狭くなります。

(2)荷物の積みやすさとシートアレンジ

★★★☆☆

 荷室の広さは、全長が約4mのSUVとしては妥当です。後席の背もたれを倒すと、広げた荷室の床に傾斜ができます。

(3)視界や小回り性能など運転のしやすさ

★★★★★

 外観が水平基調だから、側方や後方の視界が優れ、ボンネットも少し見えます。最小回転半径は4.9~5mです。

(4)加速力やカーブを曲がるときの安定性

★★★☆☆

 2000~3000回転付近でアクセルペダルを踏み込むと、本格的に加速を開始するまでに少し時間を要します。

(5)乗り心地と内装の質感などの快適性

★★★☆☆

 乗り心地は少し硬めで路上のデコボコを伝えやすいです。インパネなど内装の質感は満足できます。

(6)燃費性能とエコカー減税

★★★★☆

 2WDのWLTCモード燃費は18.6km/L。購入時に納める環境性能割と自動車重量税の合計額は5万8300円です。

(7)安全装備の充実度

★★★★☆

 衝突被害軽減ブレーキは歩行者と車両を検知します。最上級のZには運転支援機能も標準装着されています。

(8)価格の割安感

★★★★☆

 2WDの価格は中級のGが189万5000円、最上級のZは206万円です。コンパクトSUVの中でも割安な設定です。

選ぶときに確かめたい3つのメリット

・ボディの四隅がわかりやすく、小回り性能も良いから車庫入れもしやすいです。

・全長が約4mと短いわりには荷室が広く、収納設備も豊富に装着されています。

・インパネなど内装の造りが丁寧で、前席は居住性も優れています。

後悔しないための3つの要チェックポイント

・パワーステアリングは自動的に直進状態に戻る特性が弱く、手応えも曖昧です。

・乗り心地が少し硬く、実用回転域ではエンジンノイズも気になります。

・後席は足元の空間が狭めで、長身の同乗者がいるときには注意が必要です。

こんなユーザーにおすすめ

「運転がしやすくて価格も割安なコンパクトカーが欲しいけれど、ヤリスやフィットでは退屈」と感じているユーザーに最適です。アクティブで楽しいSUVをコンパクトカーの手軽さで楽しめます。また、ミドルサイズのSUVやミニバンからコンパクトなSUVに乗り替えるダウンサイザーにも適しています。荷室や収納設備も実用的で、ファミリーカーとしても使いやすいです。

今後のモデルチェンジ予想

 発売されたのが2019年11月なので、今後しばらくは大きなモデルチェンジを行いません。それでも、特別仕様車は設定されるでしょう。メーカーオプションのディスプレイオーディオやパノラミックビューなどを割安に標準装着した、特別仕様車が考えられます。

最近の販売状況と安く買うための商談方法

 先に述べた通り、ライズは2020年1月と2月に小型/普通車の販売1位になりました。人気車だから納期も長いです。販売店によると「2020年3月中旬に契約して、納車は6月以降になりそうです。正確な納期はわかりません」とのことです。つまり、納期は3カ月以上です。ライズに比べると姉妹車のダイハツロッキーは少し短く、「3月中旬の契約なら納車は5月か6月上旬」といいます。ロッキーの納期は2カ月少々です。

 値引きは少額ですが、コンパクトSUVのヴェゼルなどを相手に、値引き額や下取り車の査定額を競わせると良いでしょう。ライズはトヨタの全店が販売しているので、たとえばトヨペット店とネッツトヨタ店の間で、ライズ同士でも購入条件を競争させられます。

リセールバリュー/数年後に売却するときの価値

 SUVは全般的に数年後の売却額が高いです。特にライズは多くのユーザーが欲しがるコンパクトSUVの新型車なので、好条件で売却できるでしょう。トヨタのホームページによると、ライズで残価設定ローンを組んだ場合、3年後の残価は新車価格の51%です。一般的には40~48%なので、ライズは好条件で、リセールバリューの高い車種と判断できます。

これが結論!/このクルマの総合評価&コメント

★★★★☆

 SUVの野性的なカッコ良さとコンパクトカーの扱いやすさを両立させ、なおかつ価格も割安だから、好調に売れるのも納得できます。エンジンノイズ、操舵感と走行安定性、乗り心地、後席の足元空間をチェックして、不満がなければ選ぶ価値が高いです。

 グレード選びは、実用的にはGでも十分ですが、全車速追従機能付きクルーズコントロールなどが欲しいときにはZを選びます。前輪駆動の2WDと4WDの価格差は、Zの場合で22万2200円です。妥当な金額なので、駆動方式はニーズに応じて選べば良いでしょう。

(文=渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト)

渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト

渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト

1961年生まれ。神奈川大学卒業。1985年に自動車雑誌を中心に扱うアポロ出版株式会社に入社。その後、同社で複数の自動車雑誌やアウトドア雑誌を手掛け、1989年に自動車購入ガイド誌「月刊くるま選び」の編集長に。1997年にはアポロ出版株式会社の取締役も兼任。2001年6月に40歳を迎え、同月に「カーライフジャーナリスト」の肩書でフリーランスに転向。

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