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浜田和幸「日本人のサバイバルのために」

10年前から中国揚子江のコロナウイルス汚染水、日本海に流入していた可能性

文=浜田和幸/国際政治経済学者

 そんなトランプ大統領であるが、弾劾裁判で無罪が得られたことに気をよくしたのか、「新型コロナウイルスの対策に役立てるように、中国に1億ドルを援助したい」と申し出た。その上で、「原因を究明するため、アメリカの専門家を中国に派遣する用意がある」とも述べている。ただ、その真意は別のところにあるとも見られている。なぜなら、武漢にある感染症研究センターは生物化学兵器の研究拠点とも目されており、アメリカの国防省からすれば、「喉から手が出るほど欲しい情報の山」が隠されていると認識されているからだ。当然ながら、中国政府はアメリカの申し出を断っている。

「海洋資源大国」の新たな船出

 翻って、わが日本は周囲を海に囲まれた島国であるため、外国からの病原菌からは比較的守られてきた。もちろん、渡り鳥や黄砂が運んでくる病原菌を完全に遮断することはできない。しかし、海洋国家であるがゆえに、「さかなクン」ではないが、魚介類の生態や海洋生物の病気についての研究は世界でも高い評価を得ている。そうした知見や研究成果をもっと積極的に活用すべき時であろう。

 わが国は国土面積の大きさで言えば、世界第66位の38万平方キロメートルにすぎない。しかし、排他的経済水域という視点で見れば、日本の海域面積は国土の約10倍に当たる405万平方キロメートルにも達する。これは世界第6位の「海洋大国」であることを意味している。「資源小国」といわれて久しいが、危機をチャンスに変える意味でも、ここらで視点や発想を大きく転換させる時ではないか。令和という新時代は「海洋資源大国」の新たな船出を待っている。

 わが国は現在、2011年の東日本大震災が引き起こした原発事故の影響もあり、深刻なエネルギー危機ともいえる厳しい状況にある。代替エネルギー源として石油、石炭、天然ガスなどの輸入を拡大せざるを得ないが、エネルギー価格の高騰は日本企業の国際競争力を弱めている。中国で発生した新型コロナウイルスによってサプライチェーンが寸断され、日本企業の多くの製造計画に支障が生じつつある。

 しかも、日本がエネルギーを依存する中東情勢は緊迫化する一方だ。2020年年明け早々にはアメリカがイランの国民的英雄と目される革命防衛隊のスレイマニ司令官を空爆で殺害したため、報復を叫ぶイランとの間でいつ戦争が勃発してもおかしくない状況。海上自衛隊が調査研究目的で現地に派遣されているが、エネルギーの安定供給に欠かせないシーレーンにもいつ危機が押し寄せるかわからない。

 安倍首相は新年初の年頭記者会見で、「アメリカとイランの和平に向けた仲介役を果たしたい」との希望を明らかにしたが、その実現は難しい。そうした状況のなかで、日本政府はエネルギー政策を白紙から見直す必要に迫られている。

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23:30更新
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