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【新型コロナ】五輪延期決定後に東京都の感染者数が急増…安倍政権の“長期的対策”の欺瞞

文=藤野光太郎/ジャーナリスト

 ただし、新型コロナウイルスには未解明の「謎」が山積している。そもそも「感染で抗体ができれば免疫がつくから安心」という既成概念が通用しない特殊ウイルスの疑いもあり、重症化のメカニズムは「抗原抗体反応の過剰発生」によるものかもしれないという説も出始めている。風邪のコロナウイルスを抗体として持つ個体が、新型コロナウイルスの侵入を「再感染」と認識して「過剰に攻撃する」というものだ。

 いずれにしろ、東京を皮切りに国内での「爆発的感染」の兆しが濃厚になってきた現在の日本は、もはや長期的対策に固執せず「危機の脱出」を最優先せざるを得なくなってきた。

東京五輪「1年程度の延期」確定翌日に東京都の感染者数が急増

 長期的対策を考えて検査を抑制したのは専門家が考えた末での選択肢の範囲であり、無闇に責めることはできない。事態がより深刻化したことで都市封鎖(ロックダウン)に踏み切るとしても、それは仕方のないことだ。

 しかし、それらの施策がもし「不純な思惑」によるものであれば、それは明らかにされねばならない。もし、政権維持や製薬利権で「検査の抑制」や「データの改竄・隠蔽」が行われたのだとしたら、今後も同じことが起きるからである。実際、安倍政権は過去にそのようなことを何度も繰り返してきた事実がある。

 日本の「感染爆発」が本格化して死者が激増した場合、その原因が「不純な思惑による意図的な検査漏れで無症状の感染者が広まったから」だとしたら、事は単なる失策では済むまい。

 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が延期を納得表明し、安倍晋三首相とバッハIOC(国際オリンピック委員会)会長が電話協議で「1年程度の延期」が確定したのが3月24日。その翌日、小池都知事は東京都における感染者数の「公表数値」が急角度で上昇したことを公表した。その急上昇は今も続いている。

 注意深い国民にとって、この流れはとても“偶然”には見えない。まるで「オリンピック開催のために東京都と安倍政権が結託して、これまで抑制・隠蔽してきた都内の感染者数の公表を解禁したかのようだ」と疑念を抱く人も少なくないのではないか。

 PCR検査が行われてきたのは、濃厚接触者および濃厚接触者周辺の無症状の人々に限られてきた。「全国一斉休校」のような政府の迷妄は、短期・速攻の対策に使えるデータが得られなかったせいだが、それは病原体保有の有無が不明のまま有症者が医療機関を受診できず、結果、感染者が確定されなかったためだ。前述のように、政府の方針が「長期的対策」だったからである。

 しかし、それが果たして「長期的対策」だけを目的としたものだったのか、それとも水面下にそれ以外の目的が潜んでいたのか。実は、国内外に「公表」する日本の新型コロナ感染者数・死亡者数を、政府が意図的に抑えてきた痕跡がある(以下、次稿)。

(文=藤野光太郎/ジャーナリスト)

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