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小谷寿美子「薬に殺されないために」

解熱鎮痛薬は“本当に危険な薬”、脳症起こす例も…総合感冒薬、死亡例数が突出

文=小谷寿美子/薬剤師

 解熱鎮痛薬の歴史は「アスピリン」から始まりましたが、アスピリンを飲んだ人に脳症が起こる例が多数報告されています。アスピリンより解熱鎮痛作用が強い「ジクロフェナク」や「メフェナム酸」も、脳症を引き起こすことがわかっています。「メフェナム酸」はかつて市販で飲み薬として発売されていたのですが、副作用のため市販されなくなりました。“メフェナム酸信者”の方に「前はあったのに!」と何度も詰め寄られたこともあります。「大きい副作用が出たので市販されていないんです」と説明しても「今まで大丈夫だったんだから! これしか効かない!」とさらにヒートアップし「この店はダメだ!」と怒って帰る方もいました。

 こうした解熱鎮痛薬には「NF-kB」(エヌエフカッパビー)という物質を増やす作用があることがわかっています。この物質は転写因子の一つで、物質工場のスイッチをオンにする作用があります。これがオンになると炎症を起こす物質、炎症性サイトカインであるIL-1、IL-6、IL-12、TNF-αを大量につくります。ウイルスや細菌が入ってきてそれと戦うために、こうした炎症性サイトカインは必要ですが、薬により大量につくると制御が利かなくなり、ウイルスや細菌のみならず体内の細胞に総攻撃をしてしまいます。

 この総攻撃が脳内で起こってしまうと、脳症になります。解熱鎮痛薬は、脳における熱を出す指令を抑えることで熱を下げる効果があります。つまり薬自体が脳に作用しているということです。そこで、薬で「NF-kB」を増やすと、脳内で炎症性サイトカインを大量につくり、総攻撃へと突入していくわけです。

アセトアミノフェンは救世主

 唯一「NF-kB」を増やさない解熱鎮痛薬があります。それがアセトアミノフェンです。「家族みんなで使える」とうたっている風邪薬にはアセトアミノフェンが入っています。脳が未発達な小児では、アセトアミノフェン以外の解熱鎮痛薬を飲んでしまうと脳症の危険が高まるため、ほかの解熱鎮痛薬の使用は禁止されています。

 いわゆる頭痛薬の場合、アセトアミノフェンのみが配合された製品はほとんどありません。効いた実感がしないものは「売れない」ためです。私も、より効くとされる「ロキソニン」や「イブA」を患者さんに紹介することがありますが、その時は添付文書通りに「症状があるときのみ」使ってもらうよう伝えます。そして、棚の下段のほうにひっそりと陳列されている「タイレノール」はアセトアミノフェンのみが入っている薬であり、救世主として覚えておいて損はないと思っています。

(文=小谷寿美子/薬剤師)

小谷寿美子/薬剤師、NRサプリメントアドバイザー

小谷寿美子/薬剤師、NRサプリメントアドバイザー

薬剤師。NRサプリメントアドバイザー。薬局界のセカンドオピニオン。明治薬科大学を505人いる学生のなか5位で卒業。薬剤師国家試験を240点中224点という高得点で合格した。
市販薬も調剤も取り扱う、地域密着型の薬局チェーンに入社。社歴は10年以上。
入社1年目にして、市販薬販売コンクールで1位。管理薬剤師として配属された店舗では半年で売り上げを2倍に上げた実績がある。

市販薬、調剤のみならずサプリメントにも詳しい。薬やサプリメントの効かない飲み方、あぶない自己判断に日々、心を痛め、正しい薬の飲み方、飲み合わせを啓蒙中。

Twitter:@kotanisumiko

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