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前立腺がん、手術後の非再発率99%の小線源治療、画期的な「岡本メソッド」確立

文=黒薮哲哉/「メディア黒書」主宰者
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 前立腺がんの治療には、小線源治療のほかに全摘出手術や外部照射療法などがある。なかでも現在、もっとも広く行われているのが、ロボットを使った全摘出手術である。小線源治療の場合、ホルモン治療や外部照射を組み合わせて治療を行う場合もある。

 実際、岡本医師による治療でも特に治療導入の初期症例であった186例(46.9%)の患者にホルモン療法が適用されていた。しかし、12年からは、中間リスクの患者に対するホルモン療法は、治療上のメリットがないことと副作用の観点から中止とした。また、外部照射についても岡本メソッドの完成、つまり小線源治療そのものの技術精度が高まったことにより、行う必要がなくなったと論文で報告している。

 現在の岡本メソッドでは、中間リスクの患者に対しては、ホルモン療法も外部照射療法も併用する必要がないという。これも古典的な小線源治療とは異なる点である。つまり、中間リスクの前立腺がんでは小線源治療だけで完治することを実証したわけであるが、その鍵となったのは岡本メソッドが一般的な小線源治療に比べて高い線量を安全に投与できる方法であるからだという。もちろん、岡本メソッドの完成後は重篤な合併症もみられていない。

 前立腺がんがみつかると、「思い切って切りましょう」とアドバイスする医師が多い。しかし、全摘出手術の非再発率は決して高くはない。今回の論文で対象とした中間リスク前立腺がんの非再発率は、医療機関によっても異なるが、おおむね70%ぐらいである。しかも、全摘出手術の場合、尿漏れなどの合併症が残ることも少なくない。

 これに対して最新の論文で明らかになった岡本メソッドの再発例は3例のみであった。2例がリンパ節への転移で、1例が骨への転移だった。ただ、この3例についても「潜在的転移」の可能性が高い。「潜在的転移」というのはがんを発見した時点で、転移が検査上のデータには現れなかったが、すでに転移していた状態を意味する。

 前立腺がんと診断される患者の数は、年々急増している。しかし、岡本メソッドの完成により、転移がない限り完治が当たり前の疾患になったといえる。さらに患者の立場でいえば、

 治療後の再発が極力少ない治療や医師を見つける努力が大切といえよう。

(文=黒薮哲哉/「メディア黒書」主宰者)

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