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たかぎこういち「“イケてる大先輩”が一刀両断」

レナウン、再び経営危機…不可解な「53億円の貸倒引当金」、中国・親会社にも暗雲

文=たかぎこういち/タカギ&アソシエイツ代表、東京モード学園講師
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2.続く山東如意の未払い提訴とドイツ銀行のデフォルト

 山東如意は2018年2月にJABホールディング(ルクセンブルク)からBALLYを6億ドル(約630億円)で取得することで合意したが、その後、詳細は明かされてなかった。BALLY広報担当者によると、売却はいまだ完了しておらず、JABの支援で事業は継続できていると認めている。買収資金の支払いは完了していなかったのである。

 山東如意との間で代金未払い問題を抱えているポルトガルの素材企業Calvelex社は、香港で昨年3月からの支払遅延分、18万2000ユーロ(約2184万円)に関して訴訟を起こしたと伝えられている(ロイター通信)。2月20日にはイスラエルのメンズウエアグループBagirが、山東如意による支配株取得の支払いが滞っているとして提訴の準備を進めていることを発表。山東如意の支配株を1650万ドル(約17億3250万円)で取得することに合意したが、1000万ドル不足しているという。現在協議を進めていると山東如意より発表があったが、解決されたとの情報は聞こえてこない。

 山東如意の広報担当者によると、レナウンとCalvelexの未払い問題は新型コロナウイルス感染拡大により「多大な影響」を受けたためであると説明している。しかし、どちらも昨年発生した買掛金であり、説明に合理性はなく説得力に大きく欠ける。

 3月11日には、ドイツ銀行が、来月末償還可能になるCOCO債(偶発転換社債)の返済を見送る計画だと発表され、その成り行きが注目を浴びている。ドイツ銀行は数年前から、不透明なデリバディブ取引、アメリカ関係当局からのマネーロンダリング調査、突然のリストラ策などもあり、経営破綻の可能性が取り沙汰されている。他のジャンク債も含め、今後の成り行きが注目を浴びている。

3.重なる経済環境の急激な悪化

 以上に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大が中国市場だけでなく世界経済に予想以上の悪影響を与えている。急激な値下げに反発をともないながらも3月31日現在のNY株式市場は、NYダウ410ドル安、米国経済の成長見通し下方修正を嫌気し米国株式相場は下落。ダウ平均は410.32ドル安の2万1917.16ドル、ナスダックは74.05ポイント安の7700.10ポイントで取引を終了した。日経平均株価も続落し、3月31日の年度末で17年3カ月振りの1万9000円割れで終えた。新型コロナをめぐる「非常事態宣言」が近日中に発動されれば、相場の下落圧力が一段と強まるとの観測もある。

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17:30更新
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