机の引き出しにチョコレートを忍ばせ、気分転換に食べているビジネスパーソンも多いかと思いますが、それは非常に理にかなったことなのです。ストレスや緊張が多く、神経が興奮状態に保たれがちなビジネスパーソンにとって、リラックス作用のあるGABAはもっとも手軽なリラックス方法と言えます。
ダークチョコレートを食べて認知機能が向上?
島根大学が、ダークチョコレートには神経成長因子(NGF)というタンパク質を増加させる作用があり認知機能を向上させるという研究結果を発表し、注目を集めています。
この研究では、島根大学学生の実験協力ボランティア20名に対し、10名にはダークチョコレートを、残りの10名にはホワイトチョコレートを30日間、毎日24グラム摂取してもらいました。ホワイトチョコレートには、カカオ成分のうち脂肪分のココアバターしか含まれていません。認知機能の判定は、実験前と後を比較する方法で実施されました。
その結果、ダークチョコレートを摂取した学生で血液をサンプルとして測定したNGF濃度が統計的に意味を持つ(有意な)上昇を示し、文字や数字を読む認知機能の実験結果も有意な好成績を示しました。一方で、ホワイトチョコレートを摂取した学生はNGF濃度は上昇せず、認知機能の判定結果も摂取前後で変化はありませんでした。
また、ダークチョコレートを摂取した学生の認知機能は、摂取をやめた3週間後も高いレベルを示しており、ダークチョコレートの効果には持続性があることも確認されました。ただし、ダークチョコレートが認知機能を高めるメカニズムについてはわかっていません。
以上のように、チョコレートに関する最新の研究で、ビジネスパーソンが直面するストレスや睡眠の質の問題を解決する作用がわかってきています。もちろん食べ過ぎは良くありませんが、適量を気分転換に摂取することに対しては、それほど罪悪感を持つ必要はなさそうです。
(文=中西貴之/宇部興産株式会社 品質統括部)
【参考資料】
「The use and domestication of Theobroma cacao during the mid-Holocene in the upper Amazon」
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