国、布マスク2枚配布、厚労省職員「目は粗い」「国民に感染防止の意識持ってもらう意味」の画像1
4月1日の参議院予算委員会で布製マスクをする安倍首相(つのだよしお/アフロ)

 新型コロナウイルスの感染拡大でマスクの品薄状態が続いている現状を打開するために、政府が打ち出した打開策に各方面から突っ込みが殺到している。安倍晋三首相は1日、全国のすべての世帯を対象に、1住所当たり2枚ずつ布マスクを配布する方針を明らかにした。

 安倍首相は同日の会見で、「布マスクは洗剤で洗うことで、再利用が可能なことから、急激に拡大しているマスク需要に対応するうえで、極めて有効だ」と主張した。日本郵政のサービスを活用し、再来週以降、感染者の多い都道府県から順次配布するという。必要な経費は今年度の補正予算案に盛り込む。

 この発表に対して、Twitter上では2日、同対策を揶揄する「#アベノマスク」がトレンド入りするほど物議を醸している。

「布マスクはインナーマスクに出来るのでその点ではいいかと思います。ただ、国が危機状態の対策第一弾としては疑問でしかありません…」(原文ママ、以下同)

「無いよりマシっていう感覚と、取り敢えず何かやったという実績づくり」

 神戸大学病院感染症内科教授の岩田健太郎医師も公式アカウントで、一言次のように指摘した。

「それ、金の無駄遣い」

WHOは当初から「布製マスクは推奨しない」立場

 マスクは感染者がウイルスを他者にまき散らさないために有効だ。ちなみに布製マスクの効果はどうなのか。世界保健機関(WHO)は今年1月29日に発表したリリース「Advice on the use of masks the community, during home care and in health care settings in the context of the novel coronavirus (2019-nCoV) outbreak」で、「Cloth (e.g. cotton or gauze) masks are not recommended under any circumstance.」と説明している。つまり布製(例えば、綿やガーゼなど)のマスクはいかなる状況下であっても推奨しないという姿勢のようだ。

 厚生労働省関係者は次のように話す。

「布製のマスクでも、咳やくしゃみなどの大きな飛沫を防ぐことはできます。ただ、不織布に比べるとどうしても目は粗いです。また同僚や医師へのウイルスや細菌の付着を防ぐために徹底している「使用後即時廃棄処理」もできないので、医療機関では原則的に使用しません。花粉症の原因となるスギ花粉も透過するくらいですから。世帯あたり2枚なので、無症状感染者が家族にいる可能性もありますので、決して家族間での使いまわしをせず、誰かが使用した後に必ず洗うなど取扱に注意が必要です。

 今回の首相の措置はどちらかというと、感染症拡大に不安を抱いている国民の皆さんに安心してもらいたいとの考えだったのではないかと思います。マスクをすることで感染拡大を防ぐ意識をもってもらいたいという意味もあると思います」

 つまり、精神論ということらしい。政府のマスク配布事業は最大で数億円の事業費になるようだが、この財源を休業補償などにあてることはできなったのだろうか。疑問は尽きない。

(文=編集部)

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