【新型コロナ】経済危機が“令和の大恐慌”に発展か…感染の年内収束は難しい状況に

写真:日刊現代/アフロ

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。すでに世界保健機関(WHO)が感染症の世界的大流行を示す「パンデミック」を宣言し、世界の感染者数は80万人を超えている。日本でも感染者は2000人を突破し、1日の感染者数が初めて200人を超えるなど、爆発的感染の一歩手前の状況といえる。

 感染を抑えるために政府が不要不急の外出や大規模イベントの自粛を要請したほか、首都・東京でも小池百合子知事が在宅勤務や夜間の外出自粛を要請しており、同時に経済の冷え込みが深刻化している。その規模はリーマン・ショック以上ともみられており、もはや“令和の大恐慌”と言っても差し支えないレベルにまで達しそうだ。

 安倍晋三首相は記者会見で「長期戦を覚悟」と語ったが、いったいコロナ騒動はいつまで続くのだろうか。

コロナ収束の2つの鍵

 都内のある医師は、次のように語る。

「コロナ感染が広がり続ける最大の要因は、ワクチン不在です。誰も予防接種を受けられないことで全世界に感染の恐怖が蔓延していますが、ワクチンが完成して私たちのもとに提供されれば、コロナ騒動は収束に向かうでしょう」

 通常、予防ワクチンの開発には数年かかると言われているが、現在は開発を加速する動きがみられる。3月31日には、アメリカの製薬会社ジョンソン・エンド・ジョンソンが来年の早い時期に新型コロナウイルスに対するワクチンを完成させ、約10億回分接種できる量を提供可能にする見通しを発表したことが報じられた。遅くとも今年9月にはヒトでの臨床試験を開始し、安全性と効果を確認するという。

 時期こそアバウトだが、この動きが順調に進めば、新型コロナウイルスの収束に見通しが立ちそうだ。ただし、逆に言えば、年内に収束するというシナリオは描きづらいのが現実だろう。

 もうひとつ、収束のカギとなるのが新型コロナウイルスと「気温・湿度」の関係性だ。前出の医師は、こう語る。

「発生源とされる中国・武漢をはじめ、イタリア、イラン、韓国など、感染が拡大しているのは北緯30~50度の日本よりも寒い地域です。日本でも北海道で感染数が多く、沖縄では少ない傾向にあります。これは、インフルエンザと同じく寒い時期にウイルスの活動が活発になり、暖かくなるとともに弱まる可能性を示しています。

 中国の大学の研究グループが、高温多湿が新型コロナウイルスの感染を減少させる、との研究論文を発表しています。もちろん、新型コロナウイルスに関しては未知の部分が多く、この研究結果が正しいかどうか確証を持てませんが……」

 この研究結果が正しければ、夏前に感染が収束するとの見通しも立ちそうだが、「その場合でも、寒くなると再度感染が拡大する可能性がありますし、別のウイルスが発生しないとも限りません。今、私たちにできることは、ウイルスに感染しないような生活を送ることです」(前出の医師)だという。

 3月31日には、WHOの事務局長上級顧問を務める渋谷健司氏の「(ピークは)欧州においては、これから1~2カ月の間」「(終息までに)数年かかるんじゃないでしょうかね」という見解が報じられた。

 コロナ騒動が収束すれば必ずや明るい未来が来ると信じて、この危機を乗り切りたい。

(文=後藤豊/フリーライター)

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