今、授業の撮影とかを進めてるんですけど、やってみて気づいたのは、タダっていうのは本当に難しいということ。普通の予備校だったら、親が金払ってくれてるからってことで、しょうがないから授業受けるかっていうこともあるでしょう。でもタダだとつまんなかったら見るの止めようってすぐなっちゃう。絶対に飽きさせない授業をしなきゃいけないわけです」

 ユーチューブで無料で見られるなら、社会人にとっても恩恵ではないだろうか。大人になってから「徒然草」「源氏物語」「平家物語」などを原文で読んでみたいと思う者も多いはずだ。

「源氏物語の54帖を、普通の人が読んだら1年くらいかかっちゃう。それをおもしろおかしく話してあげるということもできると思います。将来的には、古文にとらわれず、いろんなことをやりたいんですよ。今、日本語を習っている外国人が、350万人くらいいる。そういう人たちに向けて日本語を教える講座もやりたいですね」

英語の担当は森田鉄也氏

 英語を担当するのは、慶應大学、東京大学大学院で英語学や言語学を学んだ、森田鉄也氏。河合塾、東進ハイスクールで教壇に立ってきたカリスマ講師だ。

 森田氏が「ただよび」への思いを語る。

「今、リスニングが重視されてくるのに、多くの学校の先生はそもそも教え方も分からない。自分たちが習ってきてないんで、やれって言われたって無理なんです。僕は、国際的な英語の教え方の資格を取ってます。世界では当たり前の教え方なのに、日本でやると奇をてらってるように扱われるんです。日本は、他の言語と比べ英語教育が一番最初に進んだ分、一番遅れてるんです。一番最初のやり方をずっと続けてる。そういう状況に一石を投ぜられればいいと思っています」

 日本人が学習する時に困難に感じることの1つは、日本語と英語との語順の違いだ。フランス語、スペイン語、イタリア語などのヨーロッパの言語は、英語とほとんど語順が同じ。それらの言語圏の人々は単語を覚えて入れ替えるだけで英語を習得できる。世界的な英語の教え方は日本人にも通用するのだろうか。

「国際的な教え方というのはどこの国の人、どの言語の人にも通用するので、語順の違いということもクリアできます。だけど、その分きちんと基礎をやらないといけないですよね。大学入試の時に、文法だったり読解に関してはえらく難しいことをやってるのに、ライティングに関しては本当にダメなんです。これは、東大・早慶レベルだろうと関係ない。基礎がまったくできてなくて、読解問題とライティングの問題の差がむちゃくちゃ開いてるんです。

 せっかくいろんな教え方を習ってきたんで、それができる機会がやっと来たかなと思ってます。学校の先生たちが見ても、こういうふうに教える方法があるんだなっていうことが分かります。動画を学校の授業で使ってもらっても構いません。予備校というのは、自分のところに来なければ情報を出さないという隠す文化ですけど、『ただよび』は無料で公開されます。大学入試では、英語4技能(聞く・読む・話す・書く)が使用可能な入試もありますが、地方に行ってみると多くの先生たちはどういった試験なのか分からないという状況です。そういう先生たちにも活用してほしいです」

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