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山崎将志「AIとノー残業時代の働き方」

中小企業は在宅勤務導入に金と労力を使うより、休業して国の支援策を最大限活用すべき

文=山崎将志/ビジネスコンサルタント
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 率直に言えば、パンデミックは人類にとって負け戦です。これに対処することにアップサイドはまったくなく、いかに痛手を小さくして乗り切るかしかありません。例えていえば麻雀で自分以外の3人がリーチをかけている状況で、せいぜいピンフ・ドラ1程度にしかならない手で突っ張るのではなく、降りて損失を最低限にする決断をする状況です。こんな時に経営者をやっているなんて、運が悪いとしか言いようがありません。でも、ウィルス禍とはそういうものです。自然災害と同じで耐えしのぐしかないのです。

 この状況では支出を絞りに絞って、キャッシュを潤沢に持っておく必要があります。そのための資金繰り支援として融資制度が拡充されています。一般の人向けのテレビ番組では「こんな状況で融資しかしてくれないなんて。給付しろよ」という大衆迎合的な意見を耳にしますが、平時なら十分に魅力的なビジネスを経営されている方ならこんな状況で、先の資料に掲示されているような条件の融資が受けられる(可能性のある)ことのありがたさは、おわかりいただけると思います。すぐに動くべきです。

3)在宅勤務の導入を検討するなら、思い切って当該部署/職務は休業とすべし

 最後に3)在宅勤務の導入を検討するなら、思い切って当該部署/職務は休業とする案に関してです。

 ビジネスに関連して取り上げられている話題の一つに在宅勤務があります。この項の結論を先に言えば、中小企業経営者が、今回の試練への対応策として在宅勤務の検討にお金と時間を使うなら、政府の支援策をすべて利用して当該部署/職務は休業したほうがよい、と私は考えています。理由はこれから述べるとおりです。

 まず、完全在宅勤務が成り立つのは、ソフトウェア開発、ウェブサービスの提供や、原稿書き(まさに私のこの仕事)のなど、電子媒体で提出するアウトプットをつくる仕事に限られます。そして、このような仕事は何年も前からどこでも仕事ができる環境を構築し、実際にそうしています。これらの仕事を除けば、ほとんどの企業が提供しているのは、形のあるモノか、人間を介してのサービスです。これは企業規模の大小を問わず、同じです。

 事業の根幹である、商品をつくる工場、商品を保管する倉庫、そして物流の分野は絶対に在宅勤務は不可能です。食事をつくって提供する、マッサージを施術する、介護サービスを行うなども、職場(店舗や施設)でしかできません。

 社内の他の業務は、この商品・サービス提供の最前線を支える間接業務です。工場の直接作業者は現場に来るが、管理者は直接作業はしないから在宅で指示し、結果を管理するといった方法が在宅勤務の文脈では考えられますが、これは現実的でしょうか。おそらく生産現場に導入したカメラを通じて自宅から監視し、必要な指示は携帯電話かネットワークでつないだスピーカーからすることは理屈上可能です。

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23:30更新
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