廣済堂には多くの投資家が群がったが、最終的には、ラオックス麻生との争奪戦の様相を呈してきた。

「ラオックスの株主と廣済堂の株主は重なり合う。廣済堂株の買い本尊は、ラオックスの親会社である蘇寧易購集団(大株主名簿ではグランダ・マジック・リミテッド)の、そのまた親会社、蘇寧電器集団ということになる。創業者の張近東会長が率いる大手家電量販店だ」(M&A業界に詳しいアナリスト)

 蘇寧電器集団は中国・深圳証券取引所に上場している。蘇寧がなぜ、廣済堂を手に入れようとしているのか。狙いは廣済堂の子会社で都内に6カ所の火葬場を運営する東京博善である。麻生も東京博善をターゲットにしているのだろうか。

 日本は火葬率100%だが、これは世界的にも珍しい。中国は土葬の風習が根強く残っているが、中国政府は土地の有効活用のために土葬を禁止し、火葬を推奨している。国策である以上、火葬が増えることは間違いない。中国で火葬場が大きなビジネスになるということだ。東京博善のノウハウを取り入れて、中国で火葬場チェーンを展開する。これが、蘇寧が廣済堂株式の争奪戦に参戦した真の狙いとみられている。

 蘇寧の意思を具現化する立場にあるラオックスの羅氏は、はたして都内最大の火葬場を運営する廣済堂を手に入れることができるのだろうか。新型肺炎拡大でラオックスの業績が急降下しており、「廣済堂どころではなくなった」(中国資本の動向に詳しいアナリスト)との指摘もある。ラオックスはどこへ向かおうとしているのだろうか。

(文=編集部)

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