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コロナ感染ゼロ&病床数3位…全国知事会で鳥取・平井知事が「有能すぎる」と話題に

文=安倍川モチ子/フリーライター
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鳥取県の平井伸治知事(写真:毎日新聞社/アフロ)

 新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が4月7日に発令されたことを受けて、対象となる7都府県を含む14人の知事らによる全国知事会の緊急対策本部会議が8日にオンライン上で開かれ、その模様がNHK総合で放送された。

 各ネットニュースでは、東京都の小池百合子知事や大阪府の吉村洋文知事など緊急事態宣言の対象となっている都府県知事らの発言を厚く報じているが、ツイッター上では鳥取県平井伸治知事の発言に注目が集まっている。

 平井知事は、全国知事会の新型コロナウイルス緊急対策本部で副本部長・本部長代行を務める。本会議では、国に求める具体的な対策支援の必要性と方法などをわかりやすく説明した上で、「対象の都府県知事7名は七人の侍であり、残りの40は村民である」とたとえてエールを贈り、国がひとつになってコロナと戦おうと「危機突破宣言」を提案した。

 この平井知事の具体的で無駄のない、かつ熱のこもったスピーチに、ツイッターでは「平井知事の話はシンプルでわかりやすい」「『危機突破宣言』は名演説だと思う」「平井知事の有能さが全国に知れ渡った」と驚きと感動の声で盛り上がった。

 また、鳥取県は現時点でコロナ感染者は発生しておらず、感染ゼロは島根県、岩手県を含む3県のみだ。一方で、鳥取県の感染症病床数は感染者が増えている東京、大阪に次いで全国3位である。これについても、ネット上では「平井知事のスピード対応が効いた」「適切な対応で、あるべきリーダーの姿」と称賛されている。

段ボールでコロナを防ぐ?

 鳥取県と言えば、先日、県庁の各部署で机の間に段ボールで仕切りをつくり、「3密」を防ぐという「鳥取型オフィスシステム」を平井知事自らが打ち出して、話題になったばかりである。

 こういったユニークな対策のほかにも、舞台芸術関連の公演が中止せざるを得ない現状を見て、県内での無観客公演・配信をした場合の経費の一部を助成する方針を固めるといった堅実的な支援も行っている。

 また、6日の県の対策本部会議後に、記者団から「緊急事態宣言の発令後、鳥取県に移る人が増えるのでは?」という問いに、平井知事が「誤った考えだ」と述べたことも見逃せない。

 平井知事は、感染が確認されていない人が鳥取県へ移動してくることを「一概に禁止はできない」としつつ、「外出自粛要請や緊急事態宣言の対象地域の人は、その意義を深く理解するべきだ」と述べた。なんらかの事情があって鳥取県に来る場合は、コロナ感染拡大防止に協力してもらうために、県が設けているルールを明確に伝えた上での協力を求めている。

 コロナ危機に直面している今、平井知事に興味を持つ人が増えるのは自然なことだろう。そして、平井知事がどういった人物であるのか知りたくなるというのも人の性。そこで、平井知事の人柄や活躍がよくわかるエピソードをいくつかご紹介しよう。

「スタバはないけどスナバはある!」

 平井知事と言えば「ダジャレ」。数々の公の場で鳥取県のマイナス部分を逆手に取った自虐ネタを頻発して、県のアピールに成功している。

鳥取にはスタバはないけど、日本一のスナバがある
“ないない県”である鳥取の特性をうまく生かした有名なダジャレがこちら。島根県にスターバックスコーヒーがオープンし、日本唯一のスタバ未出店県になったときに発言したものだ。一見、クスッと笑って終わりに思えるダジャレだが、これにヒントを得た地元企業が「スタバ」ならぬ「すなば珈琲」をオープン。順調に店舗数を増やしている。

●鳥取県を「蟹取県」や「星取県」と命名してアピール
鳥取県は全国で水揚げされる蟹の半数を占めることから、「鳥取県」を「蟹取県」として、「ウェルカニキャンペーン」を打ち出した。また、鳥取県内は人工物や光害が少なく、どの市町村からも星空がきれいに見えることから、「鳥取県は星取県になりました」というキャッチコピーで、県の新しい魅力をアピールするキャンペーンも手がけている。

●「ポケモンGO」とコラボして約24億円の経済効果を創出
数年前、社会現象にもなったゲームアプリ「ポケモンGO」。鳥取県はいち早く鳥取砂丘をポケストップとして開放し、瞬く間に人気スポットに。また、「ポケモンGO」とのコラボレーションイベント「Pokemon GO Safari Zone in 鳥取砂丘」を開催して、約24億円の経済効果を生み出した。

 一見ふざけているようにも見えるが、実際には地に足の着いた施策を生み出している平井知事。このほかにも、平井知事が率先したキャンペーンはたくさんあり、どれも結果的に鳥取県のプラスになっている。

 今、私たちが願うのは、平井知事の言う「危機突破宣言」が現実のものとなることだ。一刻も早く日本に明るい光が差し込むことを願って、国がひとつになるよう声を上げるときなのだろう。

(文=安倍川モチ子/フリーライター)

安倍川モチ子/フリーライター

安倍川モチ子/フリーライター

東京在住のお笑いスキー、歴史スキー、ダンススキーな(京都の女子大の歴史学科卒、元ダンス部部長)ライターです。広告・プロモーションのプロデュース及び企画制作をしていた会社で、編集経験あり(3年弱)のため、たまに編集もします。
執筆道とりこ

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