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鷲尾香一「“鷲”の目で斬る」

郵便局、「全国一律」サービス終焉か…過疎地では廃止も、日本郵便1万人削減の検討で

文=鷲尾香一/ジャーナリスト
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 前述のように、ゆうちょ銀行とかんぽ生命は日本郵便に対して年1兆円の手数料を支払っているのだが、両社とも事業収益の悪化を受けて、手数料の減額を求めて日本郵便と交渉を行っており、日本郵便の収益の悪化は避けられそうにない。かんぽ生命保険による保険商品の不適正販売を受け、2020年 1月 6日には増田寛也元総務大臣が日本郵政の新社長に就任し、新体制で再建を目指している。その再建策の一つが、今回報道のあった人員削減だ。

 日本郵政グループの2018年度末の従業員数は21万5412人。日経の報道のように1万人の削減となれば、全従業員の約5%削減となる。日本郵便側も業務を効率化すれば人数を絞っても事業運営に支障は出ないとみているように、5%程度の削減であれば大きな影響はないと思われそうだが、本当にそうだろうか。

 国鉄が民営化したことで、地方の不採算路線は次々と廃線に追い込まれた。日本郵政グループも郵便および金融のユニバーサルサービスを維持することが困難になってきている。民間企業であることで事業の採算性が重視され、半面、過疎化などにより事業の採算が悪化しているためだ。

 しかし、民間金融機関などが事業の採算が取れない山間僻地などでは、郵便局が郵便と金融の唯一のサービス提供者となっている。日本郵政グループの人員削減は、確実にユニバーサルサービスの衰退につながり、また、過疎化に拍車をかける一因にもなりかねない。

(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)

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