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高安雄一「隣国韓国と日本の見方」

コロナ、韓国経済の大打撃が判明…4月以降、リーマン直後並みの不景気に迫る予想

文=高安雄一/大東文化大学教授
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新型ウイルス肺炎が世界で流行 韓国で感染相次ぐ(写真:AFP/アフロ)

 3月31日、韓国の統計庁は2月の「産業活動動向」を公表した。この資料には、生産だけでなく、個人消費や設備投資など内需を示す指標が一括して掲載されることから、景気の動きを総合的に判断することができる。

 3月末に2月の動きというとかなり遅いのではとの印象を持つ人もいるかもしれないが、実務上、2月の数値は3月に入ってからしか調査できず、生産を例に取れば、事業所から前月の生産数などの数値を受け取らなければ統計を作成できない。よって実体経済に関する指標は、為替や株価と異なり、ある月の数字が翌月末に出れば、かなり早いといえる。

 さて、2月の実体経済の数値からわかることは、コロナウィルス感染拡大の影響は本格的には出ていないものの、一部ではすでに深刻な打撃が確認できる点である。ここからは生産、個人消費、設備投資の順にみていこう。

 まず生産である。製造業の生産動向を測る指標である鉱工業生産指数は、季節調整済前月比で3.8%減少した。なお鉱工業生産については業種によって差が大きかった。半導体はサーバー用のDMAR(記憶保持動作を必要とする随時書き込みおよび読み出しが可能な半導体記憶素子)は3.1%増加した。半導体需要は昨年秋ごろから回復の兆しが出ており、2月の段階ではまだ大きな影響は出ていなかった。一方、自動車は27.8%も減少したが、これはコロナウィルスの感染拡大により中国で生産される部品の供給が途絶え、現代自動車の工場の稼働が一時ストップしたことが要因である。

 サービス業の生産動向を測る指標であるサービス業生産指数は3.5%減少した。サービス業は景気変動の影響を受けない業種が多く、景気には鈍感な指標であるが、2月は大幅減となった。なかでも宿泊業と飲食業は18.1%の大幅減となっており、すでに2月の段階で大きな影響が出ている。また運送・倉庫は9.1%減であるが、航空と鉄道の旅客輸送が減少した影響によるものといえる。

 次に個人消費をみていこう。個人消費を測る指標としては小売販売額指数があるが、これは2月に6.0%減少した。なかでも注目すべきは景気にきわめて敏感な耐久財の消費が7.5%減少していることである。衣料など準耐久消費財は17.7%減少しているが、これは暖冬の影響で冬物衣料が売れなかった要因もあるが、コロナウィルス感染拡大により客足が鈍った影響もある。最後に設備投資である。設備投資を測る指標としては設備投資指数がある。これも2月は4.8%の減少であり、自動車など運送装備が15.4%減となった。

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