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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

山崎製パン、発がん性指摘の臭素酸カリウム使用を公表…“先回りの”優れたマーケ戦略

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季
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一度世間を敵に回せば正論は通用しない

100日後に死ぬワニ』の話に戻ると、いくら制作側に落ち度がないとはいえ、一度火が付いたら正論は通用しないのが世論だ。ネット上で囁かれているように電通によるステマがあろうがなかろうが、情報の後出しは火力を上げる薪にしかならない。

 キャンペーン展開の話がどの段階で浮上したかはわからないが、企業と連動する動きがあることを早めに公表しておけば、もしかしたら結果は変わったかもしれない。

「健全な企業のマーケティングは精緻で論理的に進められます。現代は下手に隠蔽しようとすると必ずと言っていいほど炎上します。だからこそ先回りして情報を開示すれば風評を最小限に抑えられるのです。その可能性を示したのが、今回の山崎製パンの事例です。今後は、企業が持つ経営資源を上手に開示する方法が一層問われる時代なっていきそうですね」(同)

 誰もが好き勝手に情報を発信できる世の中でも、世間は第三者による分析を重視しがち。だが、ものづくりの現場ではつくり手の持つ情報の方が量も正確性も段違いだ。この情報を小細工なしで世間に告知することが、健全なマーケティングに近づくもっとも効果的な方法ということなのだろう。

(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季)

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